モラトリアムの追憶

ずっと、一緒にいるのが当たり前だった君。


ずっと、一緒に笑っているんだと思っていた。


ずっと、一緒にたくさんのことを乗り越えていくものだと思っていた。


ずっと、ずっと、ずっと。


なのに、君はもういない。


君のいなくなった空間はひどく空虚で、まるで自分の半身を引きちぎられたかのような痛みが私を襲う。


君がいなくなってやっと気づいた。


これほど自分が君に依存していたんだって。


だから、これだけは言わせてね。


私は何があっても、君の所に行くよ。


君が、何を思って私を突き放したのかは知らないけれど。


私には、その理由を知る権利があるはずだから。















ねぇ、恭弥。


もう君は、いくつになっているのかな?


小さな子供だった頃みたいに、恭君なんてもう呼べないね。


恭弥、恭弥。


君の名前を呼ぶと、君がまるで近くにいるみたいに錯覚するんだ。


会いに行くのを許してね。


君が本当に私のことを嫌いになっていたのなら、その場で突き放してくれて構わないから。


未練が残ったまま、戻って来るともしれない君を待ち続けるのは辛すぎるの。


………こんな私が、君に逢う事なんて許されないのかもしれないけれど。








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