要はピンチ
梨萌が図書室に向かうと、もう大体の生徒が集まっていた。


図書室の椅子に皆バラバラに座っていたので、梨萌も適当に座る。




数分後、3年らしき男子生徒がやって来た。


男子生徒は皆の前に立ち「静かにー」と言ったあと一礼し




「えー、俺が図書委員長の、3年2組中田海です。
今から、図書委員が何をするか班を分けて3年が説明します」




どうやら彼が委員長らしい。

ちなみに委員長は先に3年生の間で決められている。




「中田先輩と委員会一緒とかラッキ〜」


「バスケ部キャプテンとかヤバいよねー」




と、梨萌の近くの1年生女子2人からそんな会話が小さく聞こえてきた。



(あ〜。あの人がバスケ部キャプテンの……)



以前、茜がバスケ部キャプテンがかっこいいらしいと言っていたが、それは彼なのか、と梨萌は思う。



確かに見た目、顔も整っているし黒髪高身長で、要は清潔感あふれる爽やか系男子だった。



加えてバスケ部キャプテンなのだから、それは女子が黙っているはずがない。



まだ学校入ったばかりの1年生まで知っているということは、よほどの人気らしい。





(……らしいのだけど、やっぱりどんなにかっこよくても男の子は苦手だなぁ)




男苦手(嫌いではない)な梨萌にとっては男子の顔が整っていようがいまいが関係なく。


逆に、顔が整っている男子は自信過剰なのが多いので苦手だったりする。




「水木の昼休みグループは山西が担当です。
で、俺は、えー、月水金の放課後グループに教えます」




(え!!私のとこ!?)




そんな事を考えていたので、急に当てはまる自分の曜日を言われ驚く梨萌。




(えええー!てっきり女の先輩が教えてくれるかと思ったのにー!!)



3年生の図書委員は女子が多く(大体は中田目当て)まさか中田先輩に教えられるとは思わず、焦る梨萌。



周りの者は羨ましいだな何だの言っているが、梨萌にとっては嫌なことこの上ない。




(あ、でも浅羽くんがいるから浅羽くんが対応してくれるかな……)



つまりは人任せにしようという事だ。




しかし




(あれ!?浅羽くんいない!!なんで?)




当の浅羽祐希は、図書室を見渡すがいない。



サボりか何か知らないがつまりは梨萌は、中田先輩と一対一で話さなければならなくなった。




若干パニック状態に陥っている梨萌をよそに、もうみんな曜日時間帯別に分かれ始めていた。





そして必然的に

7/11
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