「嘘ぉ・・・」
休み時間に行われる、茜による梨萌への事情聴取は、これで3回目となっていた。
幼稚園時代から梨萌の男嫌いっぷりを見てきた茜にとって、やっぱり男と話しているのは信じられないもので・・・。
「まぁ喜ぶべきことなんだろうけどさぁ・・・。
うーーーん・・・」
『だって、中田先輩優しいから話やすいっていうか・・・。
・・・あ、そうだった』
急に何かを思いだす梨萌。
「?どした」
『私、浅羽くんに伝言伝えとかなきゃいけなかったんだった・・・』
青ざめる顔。
(あ、やっぱりこの子梨萌だわ。
たかが伝言程度で慌てるなんて梨萌くらいだし)
ようやく納得した茜。
『あ、あ、茜ちゃんどうしようーー』
「もーちゃっちゃと行きなさいよ」
『でもでも、なんか浅羽くん今寝てるし・・・』
「あいついっつも寝てるから、別にいつ行っても変わんないわよ」
『う・・・』
「はーい、行ってらっしゃーい」
どーん、と軽く(?)梨萌の背中を祐希に向かって押す。
(えーーーーー!!どうすればいいのーー?!?)
後戻りするには、不自然な距離まで祐希に梨萌は近づいていた。
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