13と11
「清水さん大丈夫?」


すると優佳は、ロボットのような動きで悠太の方を向く。


『……浅羽くん。私………。
13点だった………』

「えっ」


まさか、と思ったが優佳が持っていた回答用紙を見ると確かに赤ででかでかと13と書かれている。



『ど、ど、どうしよう…!』

「まだ大丈夫だよ。期末も先だし」

『そ、そっか…』


冷静になる優佳。

しかし


「えー、13点のやつ。酷いぞお前。
というわけで13点は、1週間後の放課後に追試な。
それでも悪かったら、成績にひびくと思えよー」


『ええ!!』


ガタン、と椅子から立つ優佳。


「……清水。お前は先生がせっかく名前を伏せて話してやったのを…」


『あ…。すみません…』


クスクス、と周りの者が笑う。
優佳は恥ずかしそうに席につく。


「じゃあ清水、追試せいぜい頑張れよ」


『はい…。』










同じ頃―――


―2年4組―





「先生!これ採点ミスじゃないっすか!!?」


「いや、先生も4回見直したんだがな。
採点ミスではなかった」


「そ、そんなぁ……」


11点、と書かれた回答用紙を手にへなへなと千鶴は折れる。


「安心しろ。そのテストで赤点とったやつがもう1人だけいる」


「1人だけ、すか…」


「あぁ。1人だけだ。ま、追試で挽回しろ橘」


「ういー…」



(そういや、もう1人の赤点とったのって誰なんだろーな)


それは、意外にも近くにいたりしてね。



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