「へー、悠太達のクラス席替えしたんだ」
その日の昼休み
いつものように、悠太、祐希、要、春、千鶴はお弁当を食べるために屋上に来ていた。
「いいなー。俺っちも席替えしてー。
前だから寝れないんだよなぁ。」
「お前、担任にわざと席前にされてんの気づいてないのか?」
「え!嘘!」
たわいもない、いつもの会話。
そんな会話が今日は何故か、耳に入らない悠太。
「…?悠太くんどうかしましたか?」
悠太のいつもと違う様子に気づく春。
「…なんにもないよ」
「そうですか?ならいいですけど…」
悠太の返事を聞き、でもまだ少し心配な様子の春。
悠太は無言で地面を見続ける。
「……」
そんな悠太の様子を黙って見つめる祐希。
「どうしたんだゆうたん!!悩みがあるならこの千鶴さまが
聞いてさしあげよう!」
「…それは是非とも話したくないね」
「何だとぉ!!」
千鶴が立ち上がる。
それと同時に
ギィ
屋上の扉が開いた。
一同は茉咲が来たと思っていたが
『あ、浅羽くんに松岡くん』
屋上の来客は、茉咲ではなく
「……あ、清水さん」
優佳だった。
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