茶色い柔らかな髪
色素が薄いのだろうか。
そんな事を考えていると、ぱちり、と彼女と目が合う。
『えっと、浅羽悠太くんだよね。
私は清水優佳。よろしくね〜』
ニコニコと無邪気な笑顔で、彼女は俺にそう言ってきた。
清水優佳、さん。
「…よろしく」
「あ、優佳隣ーー??!
めっちゃ嬉しいーーー!」
『あ、アサミちゃん私の隣??やったぁ〜〜』
彼女は自分の左隣の女子に話しかけられ、そちらを向く。
ふわり
その柔らかな茶色い髪がふわりと揺れる。
「……」
彼女の穏やかな微笑みを、何故ずっと見ていたい気分になったのか。
その時はまだ、その理由が分からなかった。
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