反省と青春
「えーっとね。僕が君達を読んだ訳は分かるよね?」

『「はい」』


職員室には、東先生と優佳と悠太。

この前の、二人が保健室にいた時に優佳達のクラスの授業を
教えていたのは東先生なので、東先生が事情を聞いているのだ。


「なんで、無断で授業に来なかったのかな?」


東先生は、説教口調ではなく、柔らかく質問する。

そういうところが、男女問わず生徒に人気でもある。


「俺の怪我を清水さんが処置してくれて、その後疲れた
清水さんが寝て、俺も寝てしまったんです」


これは、少し嘘だ。
優佳は6時間目までずっと寝ていたが、悠太はずっと優佳の願顔を見ていた。


寝ていた優佳は知るよしもないが。


「そっか。それじゃあ故意に授業をサボろうとしたんじゃないんだよね?」

「はい」

『すいません。私も具合は悪くなかったんですが、疲れて眠っちゃって…』

「うん。理由は分かった。
ただ、二人には授業の変わりに何かしてもらわないと
他の子とフェアじゃないのは分かってくれるかな?」


「『はい』」


と、東先生は机から何かを出す。
それは、原稿用紙だった。



「じゃあこれに、読者感想文でも書いてくれるかな」

『え?普通、反省文じゃ…』


「二人が反省してないなら反省文でも良かったけど、二人ともしっかり反省してるよね。
なのに反省文はおかしいかな、って」


にこりと笑う東先生。


『あ、ありがとうございます』

「じゃあ、3枚くらい書けたら放課後までに提出しておいてね」


「分かりました」

「じゃあもうすぐ授業だし教室に戻っていいよ」

『「失礼しました」』



2人が並んで職員室を出ていく。


本人達は気づいてないが、お互い顔が少し赤い。



「青春、かな」



微笑ましい目で、東先生はそれを見ていた。


20/29
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