そして2人の心を素直にさせる。
そのまま、トコトコと俺と清水さんは歩く。


『今日は寒いねー』



彼女が手をこする。


その様子を見て


なんでだろう。


無意識に手が動いた。





『///!!???え?浅羽くん』


「寒いんでしょ」


『…それはそうだけども』





握った彼女の手は、小さく冷たかった。






『でも、これ端から見たらもうカップルにしか見えないよ…?』


「嫌なら離すけど」


『嫌じゃないしむしろ嬉しいけど…』


「じゃあこのままで」






それ以上は何も清水さんは言わなくなった。

手を繋いだまま歩く。





数分後






『あ、ここが私の家だから…』




清水、と表札が飾られた家の前で止まる。



「結構、俺ん家と近いね」

『浅羽くん家はどこなの?』

「この道を曲がったとこにあるマンション」

『本当?!すっごく近いね〜』

「うん」

『傘ありがとうね。じゃあ、また明日』

「うん。明日」




繋いでいた手を離して、清水さんは走って家の中に入っていった。




「……」





さっきまで繋いでいた手を見つめる。

もうそこには、繋いでいた手はなくて




(…そういや、清水さんにかわいいって言ったっような)



あ、どうしよう。とか思いながら、手をポケットに突っ込み
家に向かって歩いていった。

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