またどうも、メルヘヴン。
■ ■ ■
※シリアスは消滅しました。
「「「「は?」」」」
「いやだから、ファントム、ミモと生きればいーじゃん。ラブラブなんだ、しっ?!」
「誰がラブラブですってー兄さん?」
「ここでまさかのツンデレ本領発揮?!」
痛い、と妹に蹴りを入れられた頬を押さえ、ゼノウがうめく。
「……生きる、って」
「ミモと生きてさ、ミモが死ぬってなった時に、いっしょに死ねばいいだろ。プリフィキアーヴェあるんだしさ」
いや俺としては、可愛い妹に(ここでもう一度蹴りが決まった)泣いて一生暮らして欲しくないっていう、その気持ちがデカいから言うんだけどさ。
軽くそう言い肩をすくめるゼノウを、その場の全員がガン見する。
「今死んで大切な人を悲しませるより、生きて罪を償いながら過ごす方が、有意義ってもんじゃねーの?」
「……兄さん」
「ん?」
「兄さん……あなたって人は……!!」
「わあっ?!」
突如首っ玉に抱き着かれ、ゼノウはかつてない大声をあげた。
「は?!えっなにミモ?!ついに最大のデレデレ期が?!」
「あ、あなたって人はっ……ほ、んとう、に……」
嬉しそうにデレッと頬を緩め、アホなことを言っていたゼノウの顔が、固まる。
なぜなら目の前、途切れ途切れに言葉を紡ぐ妹の顔が、ぐっしゃぐしゃになっていたからだ。
「……生きて、罪を……」
「……ファントム」
呆然と呟いたファントムに、アルヴィスが静かな声を掛ける。
顔を上げたファントムの目と、じっと見つめる青い瞳が交錯した。
「……そうだね。ミモ」
「え」
「……遅くなってしまったけれど、」
静かに微笑んで、ファントムが続きを紡ぐ。
「……ボクと、いっしょに生きてくれないかな」
「……エンダーイヤァアー!おめでと我が妹よ!」
「お前は本当に空気を読め!」
泣きじゃくりながら抱きつくミモと、それを受け止め微笑むファントムの姿を視界の端に収め、ゼノウが突如小踊りし出す。
「いやー、ほんと良かったな!ってワケでアルヴィス!!」
「……何だ」
「俺といっしょに生きて、俺が罪を償うまで見届けて?」
にっこり笑い言うゼノウを見て、アルヴィスは真顔で口を開く。
「……だが、俺は――」
「あー、ファントム生きてる以上、ゾンビタトゥが消えないって言うんだろ?大丈夫!」
俺が、タトゥ消す方法絶対探し出してやるからさ。
軽々しく笑う相手の顔を見、一瞬固まったアルヴィスは、次に大きなため息をついた。
「……あっさりと言ってくれるな」
「それに俺はアルヴィスがなんであろうと、愛し抜ける自信しかないぜ!!」
「抱きつくな触るな」
「まーたまた素直じゃないんだからー」
(「……好きだよ、ミモ」
「っ!……なんなんですかー急に」
「ミモがかわいく」「それ以上言ったら殴りますー」)
(「まあでも、アルヴィスは生ける屍になりたくないんだろ?だったらその願いを全力で叶えてやんなくちゃな。恋人として!恋人として!!」「二度言うな!」)
……Happy end??