背徳の華 | ナノ



終焉

■ ■ ■


グラリ、小さな身体が揺らめく。
赤色が尾を引き空を舞う中で、
白く長い裾をひらめかせた彼は、うっすら笑った。


「……つなよし」


ーこれで、いいんだろう?







黒と紫の頭が瞬時に駆けつけるのを遠く眺めながら、綱吉はきゅっと拳を握った。
広がりゆく赤い湖の中、ゆらり四肢を投げ出す沙良の姿は、まるで人形のように生気を失い滲んでー遠ざかってゆく。


はっきり、悟った。
悟って、しまった。
"ボンゴレの華"はやはりー


一度その命を落とすことで、"華"の役割を失うのだと。





ー沙良。

気付かぬうちに漏れていた名前。
低く、ささめくような言葉の影で、
その頬をぬるく濡らして。


「……君が、"ボンゴレの華"で失くなるために…」



君が、
君の存在が、
ボンゴレを壊してしまう前に。



ー君を、"ボンゴレの華"をー

今日ここで、一度殺そう。






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