あなたの、君のいない今日は | ナノ



プロローグー目がさめたのは

■ ■ ■


 目をあけた。


 まっくらな中に、けれど確かに天井が見えた。
 白っぽい、ぼんやりしたくすんだ木の色。


「……っ、ぐ……ぅ、……」


 微かな、声。
 密やかでいて、押し殺すようなーー君の嗚咽。




 目がさめたのは、
 きっとその声が聞こえたからだった。



 目がさめてしまったのは、
 君の声が耳に届いてしまったから、だった。





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