I want to bite you to death! | ナノ
レヴィの場合

■ ■ ■


「やー、久しぶり、レヴィ」


がシャン、
「……おまえ、は」
「えっ?!ちょっ、何やってんだよレヴィ!電気傘落ちたぞ!」
「…雛香」
「ああ、いやまあそうなんだけど……って待て待て、だから電気傘落ちてるって!俺拾えねぇからなんとかしてくれよ!」
「あ…ああ」

信じられない思いで唇を舐め、レヴィは雷を宿す足元の武器を拾い上げた。なんとか手の震えを抑え、正面に立つ青年へ向き直る。

「……本当に…雛香、なんだな?」
「はあ?何言ってんの?」

なんなら証明してやろうか?そう言って銃を身軽に取り出した相手に、慌てて手を上げやめさせる。

「…なんか今日のレヴィおかしくね?それとも俺の顔忘れちゃった?確かに長いこと会わなかったけどさ」
「…そんなことはない。ただ…」
「ただ?」
「……いや。それより、見張りは」
「あ、なんかボンゴレ10代目って言った瞬間に追い出されそうになったから、つい」
「…つい?」
「ええっと…気絶?」

なぜか頬をかき照れたような顔をする相手に、レヴィは思わず息を吐いた。なるほど、つまり。

「…だから、見張りから報告が無かったのか」
「ん、ここまでの道中も誰にも会わなかったしな」

城の警備強化した方がいいよ、と彼は軽く笑う。
その見張りをアッサリ気絶させるような人間がそもそもそうそういないのだ、というのは言いかけてやめた。
見張りが報告する暇もなく瞬時にやられたのだ、そんな相手に何を言えばいい。
どっちにしろ、レヴィにはそれより言うべきことがあった。

「…雛香、」
「ん、何レヴィ。てかまた背高くなったなあお前」
「…お前もだ」
「え、そう?」

うわ嬉しい、そう言って笑う雛香の目元が赤くなる。本当に嬉しいらしい。

そんな彼の顔を見下ろし、レヴィはごくんと唾を飲んだ。心臓はかなり脈打っているが、これはやらなければならないことだ。下手するとボスへ報告する時並みに緊張する。

「レヴィ?どした?」
「…雛香、今度俺と2人で、」

ー言ってしまった、

そう思った、瞬間。


カカカッ!



「……うおっとあぶねー、物騒な出迎えだな」
「ししっ、それはそっちのムッツリに当てたんだっつーの。雛香には当てる気ねーよ」
「は、なんで?…て、うわっ!レヴィ頭にナイフ刺さってんじゃん!死ぬぞ!」
「死なねーよ。てか死んでくれた方が王子としては助かるし」
「…相変わらずだなヴァリアーって。俺ここにだけは所属したくねえ」
「雛香ならいつでも大カンゲー。んで、そんなことよりこっちこいよ、雛香」
「うおっ、いきなり腕ひっぱんなベル!え、てかレヴィこのまま?いいのかよ?」
「いいっていいって。ほらこっちー」




足音と気配が遠ざかるのを感じながら、レヴィはぴくぴくと痙攣する体を動かせず顔だけもたげた。

(あ、あのクソ男……)

目だけに殺意をみなぎらせ、レヴィは心中で吐き捨てた。

(次、必ず殺す……!)






「….あー、危なかったあ。王子ほんとナイスタイミング」
「?何言ってんだベル?」
「いーやーこっちの話」


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