君は泡に死にゆくの | ナノ

枯れる前にさよならを

ボンゴレ潰し目当てにやって来たファミリーがいて、
並盛が抗争の舞台となって、
結果、ボンゴレ側が勝利をもぎ取り、
犠牲もあったけれど、最後は丸くおさまって。




「…で合ってる、でしょ」


日記をぱらぱらとめくりながら、ユイは呟きペンを取る。
雲雀は来なくなった。
窓の下の黄色い花は消えた。
視界に広がる青は日に日に濃く、
動かなくなっていく身体は日に日に脆く。
シャマルの薬は飲んだふりをしてベッドの下へ投げ入れた。
だって、もう、
いみがない、から。


「……恭弥達の未来に」


そっと花びらに口を当てて、
小さな花弁を、茎ごと日記にはさみ込む。




窓の下、
きいろい花は無くなった。
ちぎれた茎の跡だけ残して、
後はなんにもなくなった。



「……さよなら、かな」


|8/11|bkm

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