貴方と私の風紀な日々 | ナノ
貴方と私の変わらない日々

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「天原さん、雲雀さんと付き合いだしたって、ほんとですか?!!」
「「「ふぐぅ」」」


綱吉の唐突な発言に、思わずお茶を吹き出しました。
ちなみに隣で獄寺と山本も寸分違わず同じ反応をしています。


「…ちょ、なんなんですかおもむろに」
「いえ、その、朝リボーンに聞いてから、俺ずっと気になってて…!」

なぜか青白い顔をしてしどろもどろに言葉を紡ぐ綱吉に、不覚にもちょっと笑えて来ました。
いえバカにするとかでなくてですね、なんだか可愛いな、と。

「っ、そ、それマジっすか10代目…っ!」
「聞き捨てならないのなー」
「知りませんよ」

何やら慌てた様子で綱吉へ詰め寄る獄寺、その隣で真剣な顔になる山本に、
私はお茶をすすりながら平然と答えました。


「えっ…じゃ、じゃあ、デマ?!」
「な、なんだよ驚かせんなよ、」
「ビックリするじゃねーか唯斗」
「だって、恭弥は何も変わってませんし」


わざと目を合わせず言葉を重ねれば、
ぴた、と止まる3人の動き。
…ああ、これ面白いですね。
なんて思っているあたり、私もなかなか性格が悪いんでしょうね。きっと。


「…えっ、きょ、きょって…ええー?!」
「なっ…はあ?!」
「えっちょ、詳しく教えてくれよ唯斗!」


三者三様、面白いほどの反応を示す彼らに、
私はただ口角をつり上げました。







「唯斗」
「はい」
応接室のドアを開けた途端に、
目も上げずに名を呼ぶいい…ではなく、恭弥。
さすがですね、足音で判別が付くだなんて。

「そりゃね。僕を誰だと思ってるの」
「天下無敵の風紀委員長、です」
「…それは馬鹿にしてるでしょ」

つい、と眉を上げた恭弥は、軽く肩をすくめ手元の書類に目を落とします。

「…それ、今日の午後いっぱいで終わらせて」
「わかりました」

デスクの端、山と積まれた紙の束を取るために私は歩を進めます。



そう、別に私と委員長に、何も変わりはありません。

そもそも告白の常套句と言える「好き」だとか「愛してる」などの言葉も一切交わしていませんし、ましてや互いの気持ちを確かめ合ったわけでもないですし。
…まあ、呼び方は変えるように言われましたが。命令口調で。

そんなわりかしどうでもいいことを思い出しながら、
つかつかとデスクへ歩み寄り紙の山へと私が手を伸ばした、
途端。


「唯斗」


ぐっと腕を引っ張られたと思ったら、
次の瞬間には唇を塞がれていました。





「…な、なんなんですか急に」
「唯斗は不意打ちに弱いからね」

くっ、と口の端をつり上げて笑う、雲雀恭弥。

「…昼間、小動物たちといっしょにいたでしょ」
「…え、あ、ああ、まあ」
「今度から応接室ね」
「へ……」

思わず目をぱちくりさせます。え、だって。

「…ここで、綱吉たちとわいわい食べろと?」
「君ってたまに救いようがないほどバカだよね」

あきれの目とともにすごい暴言吐かれました。なんてこと。


「君だけに決まってるでしょ」


「…え」
「それとも、僕と2人きりで昼食を取るのは嫌かい」

ふっ、と笑ったその顔さえ、さまになるところが本当に嫌味な人です。

「…昼に、綱吉に言われましたよ」
「何を?」
「なんて告白されたんですか、って」

おそるおそる、ながらも真剣な顔で尋ねてきた茶色の瞳を思い出します。
いつの間にか引き寄せられていた彼の腕の中から顔を上げれば、恭弥はくくっと笑いました。


「僕は型にはまった言葉が嫌いでね。そんなもの、何の意味もない」
「…少しくらい言葉にしてくれたっていいでしょう」
「それを言うなら君もでしょ?それに僕は君を僕の物にしておきたいだけで、好きだとか愛だとか、そんなそこら中にあるような言葉で片付ける気はないよ」
「…人を所有物みたいに言わないでくれます」
「なんで」


楽しそうに、おかしそうに笑う恭弥は、
私の髪を手ですくい。



「君は僕だけの物だ、唯斗」



軽くこめかみに口付けると、そのまま私を抱きしめました。











貴方と私の風紀な日々…Happy End!


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