青く輝く空の上で。
燃える上田城…外には横たわる死体の山…。
何時だって真っ直ぐで不器用な武士は私の心を熱く燃やした。
「由香殿…某はそなたを愛している。某の勇姿を見守っていてくれぬか?」
「はいっ!幸村…。」
あの日の約束は違え逝く…。
「幸村ァ…幸村ァ…。」
一室には片手が柱に繋がれた愛する男の名を何度も呼ぶ由香。
由香を見詰め嘲笑う男。
そして…。
紅蓮のような鎧を身に纏い…由香に愛を誓った男の死体。
「なぁに…男が一人死んだだけだ…。そんなに哀しい顔をするなぁ…。」
男は由香に口付けをしたが由香は相手の舌を噛みきる。
「っー!気の強い女だな…。」
「貴方に犯されるなら、殺して…私も幸村の後を追わせて…おねがぁ…んんっーー!」
由香の懇願は、男の口付けによりねじ伏せられる。
「んっ…ふぁ…やぁ…あ、ん…んん!」
男は由香の口に指を入れ噛みきらないようにする。
由香は酸素が奪われる感覚と男の舌から滲み出る鉄の味に頭が可笑しくなりそうだった。
男は由香の着物の帯を外し、手を潜める。
「やめて…!いやっ!幸村ぁ!!」
「嗚呼ぁ…その涙も悲鳴の様な声も…私をそそる材料で有ると分からんのかね?」
胸の蕾を優しくて触ってやれば痺れるように身体が跳ねる。
「ほお…思っているより…厭らしい女なのだな…」
「やぁ…違っー!んんっ!」
「それに…ここも…濡れている…。さぁ…私の愛を受け入れろ…。」
由香は現実から逃れようと瞳を男から反らす。
この現実から逃れるために…。
しかし、代わりに見えたのは…。
愛しき人…幸村の姿…。
婚約する前の事を思い出す。
草むらで座り二人で空を見詰めていたんだっけ…?
「由香殿…聞いてくれぬか…。」
「どうしたの?幸村?」
「これから戦がより激しくなるだろう…親方様の居ない今の某は心が折れそうになる…。」
「大丈夫だよ…幸村は充分強いし、私だって戦うよ」
幸村は思わず立ち上がり首を大きく横に振る。
「由香殿を傷つけるなど…某が許しませぬ!」
「真面目だなぁ幸村は…私はね…もし幸村が負けちゃったとしても、戦うよ?心だけはなら負けないから!」
負けちゃいけないんだ…。
由香は顔を真っ赤にさせて秘部を触る男の手を握り締める。
「私は幸村を愛しております。貴方にどれだけ酷いことをされても心だけは譲りません!」
由香の真っ直ぐな瞳を男は目を細めて見やる。
「面白い…。愛する人間を失ったお前に…果たしてこの凌辱は耐えられるかな…?」
男は由香の両足を持ち上げて欲望の塊を中にぶち込んだ。
「ひっぐ…あああ…痛い…。」
結合部から地が流れ落ちる。
「さぁ…私は残念ながら手加減をしない質でね…」
腹を抉られるような感覚が襲い、痛みに苦しむ。
「はぁ、ふぅ…ああ、や、あがっー!っーんっ!」
痛みた快楽に唇を噛みしめ耐える。
「なぁに…我慢しなくて良い。」
男は由香の子宮を抉るように叩き付ける。
処女の身体を容赦なく貫かれれば普通の女なら到底苦痛に苦しむか快楽に変えて狂うしかない…。
しかし、由香は決して屈することはない真っ直ぐな瞳をしていた。
「これだからお前は美しい…。」
男は笑みを含んだ。
「由香殿を某は妻にする!」
たしか…あれは桜が乱れて咲く季節だったかな?
「幸村…ありがとう。私は幸村を夫にする」
幸村は顔を真っ赤にさせて愛する人を抱き締めた。
「頼みを聞いてくれぬか…?もし、某が…その…。」
「なぁに?勿体振らないでちゃんと言ってよ?」
幸村は夫として生きる前にこんなこと言ってたけっ?
「生きてくれ…たとえ某が死んでも…。」
何度中に熱いものが入ったのか…?
頭がボーとして動かない。
頭…いや、本能が覚えているのは…。
「さぁ…て…私はお前の何だ?」
涙を流しながら由香の口は掠れた音を奏でる。
「幸村の…嫁…由香です。」
貴方を愛した記憶だけ…。
「お前が…死んでもか?」
男は刀を首筋に這わせる。
ここは…天国か…?
某が目を開ければ辺り一面花が咲き乱れていた。
「某は確か…松永…に殺られ…はっ!由香殿!居られぬか!?由香殿っ!!」
愛する人を呼んでも返事は無い。
約束を守ってくれたのか…。
「そうか…無事でいてくれるなら何より…例え他の男のモノになったとしても…。なっ…?ははっ…。」
某の頬を涙が伝う…。
「そうか…苦しい時は何時も側にいてくれたでござるな…。」
泥の付いた手で目を擦ろうとすると…
「駄目だよ、幸村。そんな手で触ったら…」
「ーーーー!!!」
某の頬に口付けを落とした。
「約束を破ってごめんね…。私には幸村しか…考えられないから…。」
「つっ!由香殿っ!愛しているでごさる!」
「私も愛しております。」
二人は永遠に結ばれる…青く輝く空の上で。
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