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第五話

幻夢洞窟は不気味なほど静かだった。

「なあ、未来」

そんな沈黙を破ったのは

エンマ大王だった。

「もし俺がいなくなったらどうする?」

「え?」

「大王様!なんてことを…!」

未来とぬらりひょんは

突然すぎる言葉に驚いた。

「ここにはフドウ雷鳴剣がある」

しかしエンマ大王は気にせず

そう説明した。

「まさか…!」

「あの伝説の剣で

羅仙を討つというのですか?

大王様とはいえ解放すれば

ただでは済みませぬぞ」

崖をジャンプして下りながら

ぬらりひょんは止めようとした。

「人間と妖怪、全ての滅亡の危機なのだ。

どんなリスクを冒そうと守らねばならん。

たとえこの身がどうなろうとな」

しかしエンマ大王の決意は変わらない。

「大王様…」

「そこまでご決意を…!」

未来達はそれ以上言えなかった。

「エンマ

フドウ雷鳴剣を手に入れるつもりか?」

そこに新たな声が聞こえた。

カイラだった。

「残念だが、剣は私がいただく」

「大王の座をエンマ様から奪った上に

まだ我々の邪魔をするか!」

ぬらりひょんが珍しく怒る。

そしてカイラとエンマ大王は

剣を持ち

戦うことになってしまった。

カイラが蛇を手から出現させ

エンマ大王はその蛇に巻きつかれてしまう。

「大王様!」

ぬらりひょんは杖を光らせ

駆けつけようとしたが

「手を出すな、ぬらり」

エンマ大王は蛇を吹き飛ばした。

「お前とは

決着をつけねばならんと思っていた」

「ですが…!」

未来は慌てて妖術を使おうとしたが

ぬらりひょんが手で未来を制した。

「ぬらり?」

ぬらりひょんは首を横に振った。


to be continued

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