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第九話「社会見学」

「あれ?」

ある日、私が休憩から仕事に戻ろうとすると

見慣れない子供が三人いた。

中学生ぐらいだろうか?

女の子一人と男の子二人で

男の子の一人はぽっちゃりとした体形の子だった。

エンマ社長と親しげに話している。

「お!未来!

ちょうどいいところに!」

「社長お疲れ様です。その人達は?」

嬉しそうに笑うエンマ社長に

私は聞いてみた。

「こいつら…ナツメ達は駄菓子屋で親しくなってな。

社会見学みたいなもんだ」

エンマ社長は説明してくれて

「でも本当に社長だったんですね!驚きました」

ナツメちゃんがそう言ってしまった。

「こほん!」

するとぬらりひょん部長が

咳払いをしながらやって来る。

「ナツメ、失礼だよ」

かっこいい男の子がそう注意するが

「いいさ。よく言われる」

エンマ社長は気にしない様子だった。

「それより富田さん。

今日も録画を聴くぞ?」

「え?今日もですか?」

定期的にぬらりひょん部長と私は

録画でおさらいをし

厳しい指摘に正直心折れそうだった。

「大変だな、未来。

ぬらりはセクハラはしないだろうが

いじめられたら言うんだぞ?」

「私はそのようなことはしません」

ぬらりひょん部長はきっぱりと言ってから

ため息をついた。

「ん?」

そして気がつくと私の隣に

少し太った男の子が立っていて

「で、未来さんは

エンマ社長とぬらりさんと

どっちの恋人なんですか?」

「え?ち、違うよ!

私、ここに来て一か月半しか経ってないし

それに…」

私は必死に否定した。

だけど男の子の言葉は

これからしばらく心に残ることになった。


to be continued

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