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第一話「第一印象は最悪」

「人間界、退屈ではなかったな」

空亡との戦いが終わり

酒呑ハルヤこと酒呑童子は

人間界を去ろうとしていた。

大きなタワーに座ったハルヤは

酒呑童子の姿になろうとしたが

「ん?」

身動きを止めた。

視線の先にいたのは

ごく普通の女性。

「なんだ?」

ただの女性が気になるハルヤは

元の姿になるのをやめた。

「じゃあね、未来!」

「うん!

今日はありがとう!」

友達らしき人と別れたその女性は

「へえ…未来っていうんだ」

「きゃあ!」

突然現れたハルヤに驚いた。

「誰あなた?」

「俺はハルヤ。

おっと警戒しなくてもいいよ。

怪しいやつではないからさ」

「いや、怪しいから」

未来は余計に警戒した。

「で、何の用なの?」

「俺も不思議なんだ。

あんたは姫でもないし…」

「姫?」

怪訝そうな顔をする未来。

「私、帰るから」

「おっと待った!」

ハルヤは歩き始めた未来を止めた。

信号無視をして

突進するトラックが見えたのだ。


to be continued

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