エピローグ


「大丈夫か、未来」

「うん…なんとか…」

エンマ大王は苦しむ未来の

額の汗をタオルで拭いた。

未来は陣痛が始まっていた。

「もうすぐ医者が到着します」

「ぬらり!

お前の力でどうにかならないか?」

「それは無理でしょ、エンマ」

痛みに耐える未来を見て

エンマ大王はどうにかしたかったのだ。

「それに…これからが本番だし」

「そうか。

なんもできねえけど

俺はずっとそばにいるからな。

頑張るんだぞ」

できるだけ優しくエンマ大王は言った。


それから数時間後。

屋敷に産声が響いた。

「おめでとうございます。

男の子ですね」

医者が生まれたばかりの赤ん坊を

未来に抱かせた。

「男の子か!

でかしたぞ、未来!

ありがとう」

わしわしと

未来の頭をなでるエンマ大王。

「エンマ…泣いてるの?」

「泣いてるのはお前もだろ?」

「うん!」

幸せそうな親子は

これからもずっと幸せだろう。


END







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