エピローグ


良く晴れた翌朝。

エンマ大王と未来の結婚式が

船で行われた。

海上だったため

未来の父や姉も見守ることができた。

大ガマ王は水の力を使い

高い船上にいる未来のそばへ来た。

未来は大ガマ王に抱きつく。

「愛しているわ、パパ」

「ああ…私も愛している」

しかし二人が離れた時

「おめでとう、二人共」

信じられないことが起こった。

「ぬらりひょん?!」

「なぜお前が…!」

魔法使いぬらりひょんが

船の上にいたのだ。

ぬらりひょんは人間の姿をしていた。

未来とエンマ大王は驚いたが

エンマ大王は未来を守るように

未来の前に立った。

しかしぬらりひょんは

敵意を否定するように

両手を前に出した。

「私は長い間

あの杖に支配されていたのだ。

もうお前達を傷つけたりしない。

信じて欲しい」

「でも…」

「いいじゃねえか」

未来は戸惑ったが

エンマ大王は笑う。

「ぬらりひょんだったな。

長いからぬらりでいいだろ?

それが本当なら

俺の側近にならないか?」

「もんげー!

でもそれならオラを

魚にしてほしいずら〜。

オラ海で暮らしたくなったずら」

エンマ大王の提案に

コマ次郎が喜んだ。

「いいぜ!

ぬらり、お願いできるか?」

「御意、大王様」

ぬらりひょんは跪き

立ち上がると杖ではなく手をかざした。

「バイバイずら〜」

「元気でね!」

魚になったコマ次郎を

未来が見守っていると

「こっち向けよ」

エンマ大王は未来にキスをした。


「続人魚姫と大王様」に続く







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