第十一話「会いたくて…」


「あーあ」

未来はお皿を洗いながら

ため息をついた。

「どうされたのです?未来様」

そして隣にいた春日は

心配そうに声をかける。

「あ!ごめんね!

ぼんやりして…。

ただ…ぬらりに会いたいなーって」

「そうですね。

大王様とぬらりひょん議長が

視察に出かけて

もう一週間ですものね」

まるで未来の気持ちが

春日にうつったように

春日もため息をついた。


「ぬらり…」

自室で未来は

ぬらりの妖怪メダルを見つめた。

メダルを使えばぬらりと会える。

でも仕事の邪魔を

未来はしたくなかった。

「会いたいよ、ぬらり」

会いたくて未来の瞳が潤むと

「私も会いたかった」

「え?」

待ち焦がれた声がした。

「ぬらり?」

「ただいま、未来」

未来にしか見せない優しい微笑みを

ぬらりは浮かべる。

「ぬらり!」

未来はぬらりに抱きついた。

「未来…ずっと会いたかった」

ふわりとぬらりは

未来を抱きしめた。



to be continued







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