ひまわり(ぬらりひょん)


私はぬらりと一緒にエンマ大王の補佐をしている。

「あれ?」

ある日、私が執務室の自分の机を見ると

机の上に一輪のひまわりが活けてあった。

小さなひまわりが

少し大きめの透明で丸い花瓶に入っている。

「どうした、未来?」

そこにエンマ大王がやって来た。

「エンマ大王、私の机の上にひまわりが…」

「へえ、俺は知らないな。

まあ、いいじゃないか」

そう言ったエンマ大王は

あまり興味がなさそうだった。

だから私も気にしなかった。


しかしそれから毎朝執務室に行くと

一輪ずつひまわりが増えていった。

もう五日連続でそんな様子だ。

だから私は六日目の朝に

少し早く執務室に行ってみた。

「あ…」

そして私は私の机の上にひまわりを活ける

ぬらりの姿を見てしまった。

「未来!早いのだな…」

ぬらりの顔は真っ赤だった。

「ぬらり…なんでひまわりを…?」

私が聞くとぬらりはコホンと咳払いをした。

「小さなひまわりの花言葉を知っているか?」

「ううん。ごめんね、知らない」

私が正直に答えると

ぬらりはコツコツと足音を立てて

私に急接近して私の耳元で

「あなただけ見つめている、だ。

少々まわりくどかったな。

好きだ、未来」

そう言ってぬらりはぎゅっと私を抱きしめてくれた。

それが嬉しくて、私は自分の中に

ぬらりへの恋心があるのを初めて自覚した。

「私も…多分ずっとぬらりだけ見ているよ」

恐る恐るぬらりの広い背中に手をまわすと

「未来、ありがとう」

そう言ってぬらりは更に強く

私を抱きしめた。







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