大きさ比べ


クエストから帰って来たグレイはいつものようにドアを開けてギルドに入った。
すると、いつもは騒いでいる奴等がシーンと喋らず真ん中に全員が集まっているのはかなり不思議な光景が目に入った。

「お帰りグレイ。」
「あぁ」

グレイが帰って来たのに気が付いたのはミラだけで、他の奴等は真剣そうに見ている。
一体何がどうしたんだ?と思いながらグレイは椅子に座り、ミラが出してくれたお酒を一口飲んだ。

「で、あの集りは何なんだ?」
「アレはね。」

ミラが理由を話そうとした時、ドワァとさっきまでの静けさが嘘の様に笑い声が響く。

「俺ってそんなに小さいのか!」
「あぃ!ナツは可愛いんだよ。」
「俺は可愛くねぇ!」

中心からナツとハッピーの声が聞こえ、帰って来て早々喧嘩かよ。と思いつつ、溜め息を付いたグレイはまたグラスに口を付け、お酒を飲んだその時。

「グレイ!」

桜色の髪を持つナツがグレイの名を呼び、走って来た。
それに相手してやるかと、あ?と喧嘩腰で言葉を返した。
だが、いつもの様に勢いを付けて殴って来ないのを疑問に思ったグレイは具合でもわりぃのかと疑問に思っていた。

「手、出せ!」
「は?」
「だ・か・ら、手出せって!」

呆気に取られながらグレイは仕方なく手をナツの方に出す。
すると手を重ねられ真剣な顔をするナツに自然と胸が高鳴る。

「くっそ!」

いきなり悔しがるナツの声に現実に引き戻されたグレイは透かさず手を放した。

「また負けたんだね。」
「ハッピー……」

ハッピーの言葉にガクリと肩を落とすナツはハッピーに肩を叩かれ、慰められている。

それを見ていたグレイだが、一体何がしたかったのか、さっきの胸の高鳴りは何だったのか分からないグレイは心の中で説明してくれ!と叫んだ。
その心の叫びに気付いたのかミラはグレイの名を呼び、説明をしてくれた。

「実は男の中で誰が一番手が小さいのかってのをやってたの。」

そう話すミラにくだらねぇと正直の感想を漏らしたグレイは今だ落ち込んでいるナツを見てナツが一番小さかったのかと思い納得した。

さっきの胸の高鳴りは今だ分からないが、これからこのネタは使える。とグレイは思うのだった。

-END-
初グレナツ!
まだ恋だと気付いていないグレイ。そして恋なんか知るか的なナツ。
中々難しいです!!






2010.1.3 完成



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