昔の約束覚えていますか? (夜昼+オリ)


※オンキャラとのキスシーンがありますのでご注意。





貴方には囮になってもらう



その声を聞いた時



僕の意識は闇に落ちた




「リクオ様!」


異様な霊気を感じたリクオの側近、雪女が駆けつけた頃にはリクオは昼間だと言うのに夜の姿で倒れていた

何があったのか何が起こったのかその時、皆は理解出来ずまずは夜リクオを本家へと連れ帰ったのだ


『よる…夜の僕っ…助け…』


途切れて聞こえてくるのは片割れ、人を大切にする俺だ。

弱々しいその声は何時もは見直にあったが、今は遠く…


「リク!」


飛び起きて周りを見渡せば自分の部屋の寝床に寝かされていた

外は暗く今日は新月なのか外は暗い


「彼奴は…」

「リクオ様!」

「若!」


頭を抱え、記憶を探ろうとした瞬間、慌ただしい足音と数人の声に意識をそちらに向ける

体調は?とか色々聞いてくる側近に俺は平気だと答えた


「だが、昼の俺の意志が感じられねぇ」

「なっ!」

「もともと俺は血によってアイツを守る為に創り出された人格だ。アイツの血は普段は普通の人間の血を多く引く早く言やぁ妖怪にとって美味しい餌だな」

「そんな、若!」


餌だと言った瞬間、無数の殺気が感じ取れ俺は思わず口元を緩める

アイツが好かれているのが直ぐに分かったからだ


「だが、今回は俺からアイツを引き離した」

「相手には別の目的があると?」


首無しの問に俺は頷いた


「あぁ。とりあえず、この事は漏らすな。他の奴らに変に動かれたら迷惑だ」


俺の言葉に頷いた奴らを見て昼リクオの捜索を開始したのだ






「…ん……」


真っ暗の何処か分からない場所で目が覚めた昼のリクオはまず違和感に気が付いた


「なに…これ」


動く度にジャラッと鉄と鉄が擦り合う音が響く。
それは昼のリクオの両手首、足首へと繋がれていた


「お目覚めかな、奴良リクオ」

「っ!」

「おっと、急に動くなよ。分離したばっかの安定してない体は壊れやすいんだ。消えたくないんだったら大人しくしていろ」


寝床から上半身を起こそうとしたが体は鉛の様に重たくて僕はそれを我慢しながら声のした方へ顔を向けた


「お、頑張るねぇ」

「分離って、夜の僕は無事なの?それに消えるって…」

「疑問は多いだろうが全部は答えられねぇ。けどよ、その根性に免じて一つだけ教えてやる。一番何が知りてぇんだ?」


普通の人間に見えるそんな妖怪はククッと笑いを漏らすとリクオに近付く


「夜の俺は無事ですか?」

「あぁ、ピンピンしてるだろうな」

「そうですか…」


ホッと肩の力を抜いた瞬間、名も分からない妖怪がリクオの顎に手を掛けた


「お前、男なんだよな勿体ねぇ…」

「っ…放せ!」


手を払いのけ様としたが鎖が鈍い音を立ててピンと張り手が届かず、睨むだけで終わる


「フッ、その目良いな」


すっげぇそそると耳元で呟くのと鎖が引かれ、ベッドに横になるのがほぼ同時だった


「あと二日もすれば体も安定する」


その時はお前を俺の物にする


その声を聞いた時チクリと首筋に痛みが走った


「っ…貴方は」

「質問はもう受け付けねぇよ。守られてるだけのお姫様はお休みの時間だ」


全てが済むまで寝ていろそう聞こえた瞬間目の前が真っ暗になって意識を失った


「全く、姿見られたくねぇって分かるけどよ」

「攻撃はしていない眠ってもらっただけだ。それにお前は一人にしとくと囮を傷つける」

「あ〜、悪かったって」


でもまぁ
手も付けたくなるだろ?


こんな旨そうな人間





その頃、夜リクオ達は行方の捜索が行き詰まっていた。
目撃情報も、どう言う状況に昼リクオが居るのかも分からない状況だったからだ

行方が分からなくなってからもう一日ち、みんなに疲れが見え始めたそんな時、ドタバタと慌ただしい足音にドアに目を向けた


「若!こんな物が戸に」


慌てて走って来たのは首無しだった


手に持っているのは封筒に入った手紙を受け取った夜リクオは手紙の中身を見て眉を寄せた


「っ…」

「リクオ様?」


リクオの命が惜しければぬらりひょんを引き渡せ

今日、〇〇ホテルで待つ


とだけが書かれた手紙を雪女に渡し、立ち上がった

待っていろ昼の俺


必ず助ける






「くっ…」


ガチャン…ジャラッ…ガチャ!

どうにか手首に付いている手錠を外そうとするが手首が擦れ、赤くなるだけで外れる事は無いそれに苛立つ


「姫さん。そろそろ諦めたら?」

「嫌だっ…っ」

「身体が安定し始めたのは良いけどここまで反抗的だとはな」


呆れた様に溜め息を吐くこの男は何故か姫さんと呼ぶ

最初は僕は男です!と反抗していたが、一考に言い方を変えないので流石に諦めた

「ほら、姫さん赤くなってる」

「っ!」


手首を掴まれてチュッと赤くなった場所にキスをする男に昼リクオは手を振り払おうとしたが叶わない


「力よわ…」

「んっ!」


開いた手で顎が掴まれたと思えば唇に何かが触れて


それが何か気付くのに数秒掛かった


抵抗しようと捕らえられていない手で男を押すが叶う筈も無い


「やっ〜〜んんっ!」


やだと言おうと開いた口に生暖かいモノが入って来て初めての大人のキスに目元にうっすら涙が溜まる


「…楊」

「あ〜、良いとこだったんだけどなぁ」

「………」

「はぁ、悪かったから睨むなってーの」


楊と言うのがこの人の名前だと分かったのは良いが、息を荒く空気を吸い込みながら黒いマントを纏いフードを被っている男か女か分からない人物を見ればどこか懐かしい感じがした


それは何故かは分からなかったけど、きっと僕はこの人を知っている


「あと少しでぬらりひょんが来る」

「姫さんの片割れじゃねぇの」

「どっちでも良い、強く血を引いていればアレが開く」


フッと笑った気配に楊は珍しい事もあるもんだと思いながらも戦闘準備でもすっかとドアから出て行ったそれを見て出て行こうとする人物に思い切って話しかけた





───

何だか長くなる様な気がしたのでとりあえずここまでで切ります!
オンキャラが二人出て来ましたけどまず楊(ヨウ)と昼リクオの絡みがあったりしましたが一様、夜昼小説なんですけどね…アハハ



2011.7.18 完成



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