好きにも種類があるものだ! 上(グレナツ)


※15禁ぐらいな表現があるのでご注意を!







「はーなーせーっ!」

後ろからグレイが腕を回され抵抗出来ないでいれば耳の裏をねっとりと舐め上げられぎゃあっ!と色気も減った暮れもない声がナツから出て

さっきよりもジタバタと腕から抜け出そうと頑張っているとグレイはそれを無視し続け今度はナツの耳朶を一舐めしてから口に含み、歯を少し立ててカリッと甘噛みをした。

「んぁっ…何怒ってんだよっ…」
「…怒ってねぇ。」

甘噛みされる度ピリッと電気が走った様な痛みが快楽としてやって来てナツからは甘い声が出るが流されまいと声を耐えながらグレイに聞くと短い言葉が不機嫌さを物語っていて

眉間に皺を寄せているだろうグレイを見ようと振り返ろうとするが、グッとグレイの腕に力が入りまるで見るなと言ってる様でナツは振り返るのを諦め様と…思いもしなかった。

諦めるなんて言葉はナツに合わなからだ。

思い立ったらすぐ行動それこそがナツ様だ。

首筋まで無言でグレイは舌を伝わせ、そこに自分の物だと言う赤い印しを一つ、二つと残していく度にナツはチクリと痺れるような感覚に身を震わせていたがグレイがナツの服の中に手を入れようとした時に出来た隙にナツは目を付けてグレイの腹目掛けて肘鉄をくらわした。

「ぐ…っ!」
「こんな場所で何するつもりだったんだ!」

腹を抱えてうずくまるグレイを見たナツは顔を赤くして叫んだ。そうここはナツの部屋でも、グレイの部屋でもないのだ。
ここはナツ達が家と言っても可笑しくないギルドだが、皆が居るのだ。そんな場所で何をやろうとしてたんだとか見せびらかしたいのか!とか言いたいことは色々あるがひとまずこの気まずくなったギルドから出るのが先だろう。

「話し聞いてやるから出ようぜ。」

そう言うとうずくまって呻いているグレイの腕を掴み、引きずる様にナツ達はギルドから出た。

向かう先はナツが住んでいる場所だ。

歩いて数分で着く家なのだが一人暮らしには少し広すぎる様に感じるのはルーシィの部屋を見たからかもしれない。

一週間に一度、ミラが来てくれている為か綺麗に掃除がされている。

「…ナツ。」
「ん?」

日頃のクエストのお陰かまたは違う理由かは不明だがグレイは呻いていたのが嘘の様に落ち着いた声音でナツを呼べば久々に帰った家を見渡していたナツは振り返りグレイを見る。
目と目が合えばグレイの碧い綺麗な瞳が不振に揺れている事に気が付いた。

どことなく寂しい様な見捨てられた子犬の様なそんな感じの…

とにかく不安な事が伝わってきた。

「…お前、ルーシィの事好きだろ?」
「は?」

予想外の言葉にナツはきょとんと目を丸くさせグレイが何言ったのかが理解するのに数秒掛かった。

理解してしまえば逆にそんな事聞いてなんになるんだ?と疑問を抱かせた。

ナツは頭を一生分ぐらい良く回したが答えは出ず、沈黙しているとグレイが好きなんだろ?と再度ナツに問い掛けた。

「あぁ。好きじゃなきゃ一緒に行動してねぇって。」
「そうか…」

考えを一度打ち切り、きっぱりと答えて当たり前だろ?と笑えばグレイが肩を落としたのが見えて落ちこんでいるように見えた。

「グレイ?…んっ…っ!」

無言で近づいて来たグレイにナツは疑問に思い相手の名前を読んだ時、目の前が碧一色になり、唇に柔らかい何かが触れた。
グレイのだと思うと暴れる気も起きず、ナツは少し口を開ければ歯並びを確かめる様にグレイの舌が歯をなぞり、わざと音を立てる様にグレイの舌がナツの舌を絡め取る。

いつもより乱暴な絡め方にすぐ足が力が抜けてグレイにもたれ掛かった時カチャッとこの場に不釣り合いな音が聞こえナツはハッとして閉じかけた目を見開いた。

「なっ、なんだよこれ!?」
「手錠に決まってんだろ。」
「外せ!」
「嫌だ。」

手首に嵌った銀色の手錠を見てナツは叫ぶ様に言えば冷静に言葉が返って来てナツはそうか手錠かぁ〜と納得しそうになった
が!

ブルブルと頭を振り手錠を付けてきたグレイを見上げ言えばきっぱりとした言葉が返ってきてイラッとしたナツは無理矢理手錠を外そうと両手に力を入れ引っ張るが鎖はチャラッと擦れる音しかしず、びくともしない。

「こんなもの……えっ」
「無理だっての。それは魔法を消す手錠だ。」

燃やせば良いと魔法を発動させようとするが発動しず、それにナツが驚いていると、グレイが手錠の鎖を掴みナツの部屋へと足を向けて歩きながらナツに言う。

ナツは何でそんな物持ってんだよっとぶつぶつ良いながらもグレイを振り払う事はせず、後を付いて行き部屋に入った。

部屋には必要最低限なものしか置いていないためナツの部屋にしてはスッキリしている。

久々の自室だなぁ〜なんて呑気に思っていたナツはグレイがまるで物を投げる様にナツをベッドに投げ捨てたせいでナツはベッドにダイブした訳だ。

「てめぇ、人をなんだと…っ!」

文句を言おうと顔だけグレイに向け、怒って言おうとするが言葉はグレイの唇によって吸収され、くそっと悔しそうにナツは眉を寄せた。




───
久し振りのグレナツです!
次は裏を書くつもりなのでお楽しみに><


2010.2.19 完成

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