君の笑顔に惚れました(黄黒)


最初は何故影の薄いだけの黒子がバスケ部にいるのかが分からなかった。

「青峰っち〜」
「どうかしたか黄瀬」
「何で黒子ってバスケ部にいんすか?」
「あぁ、黒子な。アイツは良いんだよ。どちらかっつーと切り札ってやつだからな」
「切り札すか?」

嘘だっ!と、さつきまでいた黒子の方を見れば姿が見えず首を傾げた。

「まぁ、実際見なきゃわかんねぇーかもな。」
「はぁ…」

分からず終いで会話が終わってしまい溜め息が漏れる。

「黄瀬と黒子お前ら二人次の試合な。」

と、キャプテンに言われはぁ!?と声を上げてしまった。
青峰っちや緑間っちなんかとは一緒に試合に出た事があったが黒子とは初めてだ。

「キャプテン!何で黒子なんすか?」
「お前はまだ見た事ないだろ。試合での黒子を」
「なんすかそれ。何時もと違うんすか?」

見てみれば分かると、それだけ言って解散と言うキャプテンに返す言葉は無かった。
次の日はキャプテンが言った様に試合だった。
移動中、見かけた黒子に声を掛けた。

「初心者の様なあんたが一体何できんすか?」
「…僕は影です。光が強ければ強い程影は濃くなります。何時もは青峰くんの影ですが今日は黄瀬くんの影になりますよ。」
そう言った黒子の顔は少し緩んだ気がした。
試合が始まり上手く点が奪えず、点差が広がらない。
それに苛立って舌打ちをした時、チェンジで黒子が入って来た。

「本気でいくのでしっかりとボールを見ていて下さい。」

試合が再開し、相手チームにボールが取られた時、ボールがこっちに向かって飛んできて何が起こったのかが分からなかったが、とにかくボールを投げてシュートが決まった。
それが何時続き、誰がやっているのかが分かった時には相手チームとの点差は広がっており、その試合は勝利で終わった。

「すげーッス!黒子っちどうやったんすか?」
「どうって…元々僕って影が薄いのでそれを利用してるんです。それで」

黒子の話を聞いていれば黒子はクスッと笑い、めったに崩さない無表情を崩した。

「っ!」
「あ、すいません。何だか黄瀬くんの変わり用が可笑しくて。」
「き、気にしてないっすから!」

超レアな笑顔を見てしまった黄瀬は顔をほんのり赤らめ慌て言葉を紡いだ。
これが黄瀬の黒子に惚れたきっかけだった。



「ところで黒子っちて付き合っている人とかいるんすか?」
「いませんけど、いきなり何ですか」

「聞いてみただけッス」





-END-
黄瀬が黒子に惚れたのを書きたくて書いたらこうなってしまった!
でも一目惚れとかも少し書きたかったりする〜

2010.10.19 完成

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