マフィアの子供



「そう言えば骸久し振りだよな。また背伸びたか?」
「どうでしょうね?測った事が無いので分かりません。」

グッタリしている少年をソファに投げる様に置いた背が小さい俺への嫌味の様な事を言ってきた。

「はぁーで、ずっと気になってるんだけどその子は?」
「貴方が行って説得してこいと言った敵マフィアの子です。」

うんうん、この間丁度皆が出払ってた時に仕方なく骸に敵マフィアの説得に行かせたんだ。説得に応じなければ帰ってきて良いって言った筈だけど…あれ?敵マフィアの子ってあいつ言わなかったか?
うん、聞き間違いだな。

「骸、さっき何て言った?」
「ですから、元敵マフィアの子供ですって。」
「はぁ!?何で持って帰ってきてんだよ!しかも元って!」
「えぇ、潰してきました。」

気をとり直して聞いた俺に予想通りの言葉が返ってきて、更に悪気もなく堂々と言い切った骸に返す言葉を無くした。

「一様聞くけど潰した理由は?」
「勘に触る事を言われたので。」
「はぁ…お前は子供か!勘に触れたから潰しましたで済まされる事だと思ってんのか!?」

今日何度目かになるため息を付くと骸を叱った。するとムスッと明らかに怒っている骸と目が合い、ヤバいと長直感が知らせてくれた。

「む、骸さん?」

「貴方が何時までも甘い事を言ってるからいけないんですよ。だから僕達守護者が省いてやってるって言うのにそれでも君は…っ!」

恐る恐る名前を呼んだツナに対して骸は怒鳴る様に説教をし始めた。
だが、その説教の一つの言葉にツナはピクッっと反応した、スーと目を細めた。
その瞬間殺気がもろ骸に突き刺さり、骸は言葉を詰まらせた。

「骸、二日間休みをあげるよ。この子の事は任せてくれて構わないから俺の前に二日間現れるな。」

部屋に溢れている殺気の凄さに強さが見て取れる。ツナはその殺気を緩める事なく言うと、分かった?と目が笑っていない笑顔を見せた。

「わ、分かりました。」

嫌だと言った瞬間に殺されそうだと思った骸は了承し、姿を消した。





2009.9.23 完成
2009.12. 移動



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