本当の理由



シリアスなので苦手な方はバックして下さい。







「ナルト…何で、どうして!」
「何で?俺は元々こうするつもりだった。俺はこの里が嫌いだからな。こんな…里壊してやるよ」

サクラは返り血の付いたナルトを見て絶望からか地面に崩れ落ちた。
今のナルトは上層部を皆殺しにした里の敵だというのにナルトの前で地面に崩れ落ちたサクラをナルトは鼻で笑った。
ナルトが言った言葉にその場にいるサクラ以外のカカシ、サイ、ネジ、テンテン、リー、ガイはそれぞれ構えた。
だが、まだ迷のある構えにほとほと呆れたナルトはまた溜め息を付いた。

「俺はもう敵だ。迷ってて良いのかよ?」

お前らそんなんだと死ぬぞ。と言った瞬間目をフッと細めナルトはテンテンの前に一瞬で進み、みぞおちに拳を叩き込んだ。

「グハッ!」
「「「テンテン!!」」」

ガクリと力無くナルトの腕に倒れたテンテンの名前を叫んだ。だが、もちろん返事は無い。
ナルトはテンテンをポイっとネジに向って投げた。ネジはきちんと落ちない様にキャッチし息をしているかを素早く確認した。
相変わらず優秀だなとネジを見ていたナルトにリーがナルトの名前を呼んだ

「ナルトくん。僕は、まだ君が仲間だと思っています!けれど仲間を傷付けるなら力ずくで捕まえてから理由を聞きます!!」
「!…待てリー!!」
「…遅い」

ナルトは走って来たリーの前から背後へと一瞬で行くとリーの背中を蹴った。
その蹴りは重く、リーは壁まで飛ばされそのまま気絶して倒れた。

「俺の事舐めてる?全員で来いよ。じゃなきゃ禁術打っ放すよ?」

一歩一歩近付いて殺気を強めるナルトはあのドベ忍者だと呼ばれていたとは思えない
刺す様な殺気は一日二日で覚えられない程凄くにその場にいた者は冷や汗を流した。

「ナルト!」

印を組もうとしていたナルトを呼んだのはこの里の火影の綱手だった。
綱手の後ろには暗部を始め任務に行っていた者まで帰って来ていて恋人だったシカマルまでいた。

「ちぇ、来ちゃったんだ。」
「なぜ私を閉じ込めたんだい?ナルトいや、蒼舞!」
「「「蒼舞!?」」」

舌打ちをしたナルトは綱手が近付いて来るのに来るなと言う様に殺気を込めて睨んだが、綱手は近付いて来るのを止めず、ナルトが暗部で使っていた名を呼んだ。
そしてその名を知る者は驚いたてナルトの暗部名を叫ぶ様に呼んだのだ。

「俺が…里の怨み子が、四代目と呼ばれるミナトの実子で、里最強の忍びで、暗部総隊長までやれる、この里を一瞬で消し去れる程の実力があったのを知って怖いか?怖いだろ?心配しなくても俺はこの里から今から消えるつもりだから安心しろよ。」

真実を並べたナルトはフッと悲しそうに笑った。






俺の病気治らないと知って、寿命がもう少ししかないと分かった時、俺の中に封印されている九ちゃんこと九尾が契約しようと言い出した。

妖は一人の人間と契約を出来る。
だが、契約をしてしまうと寿命は伸び、人間としての年月なんてあっと言う間に過ぎていく。

「しなくても良い。主はナルトと生き、共に消える」
「…九ちゃんありがとう」

気を使ってくれた九尾に御礼を言いフッと悲しそうに笑った。

「ゴホッ…ッ」

むせただけで口の中に血の味が広がりその血は口に添えた手にも付いていて

里を変えようと覚悟を決めたんだ…




「ッ…ゴホゴホッ!」

むせたのと同時に足がぐずれそうになり、方膝を付いた
まだ三人気絶出来ていなく最悪だと口元を手で押えたまま、白眼を使っているネジは異常な程のチャクラの乱れに気付いた様で口を開こうとするのを俺は言うなと言う様に殺気を込めて睨み付けた。

「ナルトもう止めてくれ!!お前は…お前はもう」

唇を噛み締める綱手は俺の病気が治らないのだと、

死んでしまうのだと知っているのだ。

「ばっちゃん。俺はこの世に生まれて良かったと思ってる。親みたいに慕える人も、大事な仲間も、大好きなシカマルの恋人にもなれた。」
「ナルト…。」
「来るな!」

近付いてくるシカマルにナルトは来るなと、来ないでくれと泣きそうに叫ぶとシカマルは足を止めてくれた。
俺生まれてから願う事なんて一度しかなかった。
それは、じっちゃんに暗部にさせてくれと以外願ったりしなかった。

「俺はここが、大好きな人達がいるここを守りたい。だから皆の記憶から俺は消える。」
「「「ナルト!」」」

三人の叫ぶ声にナルトは初めて使う印を組む。
それは全員の記憶からナルトの記憶だけを封印じゃなく、消すもの。
組み終えたナルトは三人を見て呟いた。

「ありがとう。」

その言葉が聞こえた時、三人は意識が遠のき倒れた。








あれから数年経ち、俺はもう20才になる。
九ちゃんと契約し、永遠の命と九ちゃんのチャクラを全部手に入れたが、俺の身体は成長しなくなった。

「行こうか。」
『あぁ。』

皆の様子を見に行く事。それが毎日の日課。
俺は気配を完全に消し、木の上から木の葉を見渡すと、俺が知る人達が楽しそうに笑っているのが見えた。
何も覚えていない皆はとても楽しそうに見える。


俺はただ見守るだけ。



だけなんだ。


「シカマル」


小さく呟いた名前は貴方に届く前に消えた。

だが、その声にシカマルがナルトの居た方を見た事をナルトは知らない。






ーENDー
裏切りに見せ掛けて実は皆を守る為の行動だった。的な感じです!
やっぱシリアス難いッス〜


2010.1.16 完成



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