追い付いて
全てを包み込む黒は好きだ。
この血の色に染まった俺を隠してくれるから
輝く金色も隠して黒に染めてくれるから
好きだ。
けど、そんな闇には触れられない
だからあいつを見た時衝撃を受けたんだ。
同じ黒色の髪と瞳を持つ
奈良シカマルと言う少年に…
任務帰りにいつもの様にサスケ、サクラ、カカシの七班メンバーと別れたナルトは、本宅にでも帰るか…と、思い影分身を作るため人通りの無い道に入ったのが間違いだった
「化け狐め!」
「私の家族を帰してよ!」
「!…ウッ…ぐッ!!」
切られ、蹴られ足り叩かれたりしながらの暴言。血がドクドクと出る光景にバリエーション無いのか?と思う程見慣れた光景。声を絶えながらボロボロになっていく自分…影分身を見下ろすのももう慣れた。
そろそろ気がすんだか?っと思い屋根から見下ろしていた俺はそろそろ飽きたなと思い印を組んで幻をかけようとした時
「おっさん達何やってだ!?」
「あんたは奈良家の!」
「見られちまったぜどうする?」
「口止めするしかねえだろ!」
倒れているナルトを放ったらかしにシカマルを捕まえ様とする奴等に流石に呆れて溜め息を漏らし、助けに行ってやるかっと…変化の術で姿を変えた。
遠くから久し振りに知っている金色を見つけ声を掛けようと少し小走りに後を追っかけ、ナルトが曲がった場所を曲がろうとした時大人の声と、声を苦しそうに耐えているのが聞こえまさかと思いながら覗くとやはりあのいつもの馬鹿みたいに笑っているナルトの姿があり、無駄に回る頭はどうしたら良いのかを弾き出したが、身体が震えて動かなかった。
「ッ…グハッ!」
「おっさん達何やってだ!?」
口から血を吐いたナルトを見た俺は無理矢理足を動かし口を開いた。
俺の存在に気付いた大人は俺の事をどうするか相談してるみてえだ。
こっちはまだ下忍だぜ?大人三人は確実に負ける。さてどうするか…
糞、めんどくせー事関わっちまったな。
グチグチ考えていた俺に話しが纏まったらしい大人三人は俺の方に向って来た。
(ゲッ、ヤベェ!)
反応が遅れた俺を押さえ付けようとしてくる大人達に抵抗をするが叶う筈は無く、短い人生だった。と諦めた時
「四代目がナルトの中の物を口にするのも禁じた筈だがそれを言い、今度は奈良家を敵に回すか?」
「誰だ!?」
大人の一人が声を上げると、クスッと笑う声が聞こえ、ストンと上から降りてきた銀色の長い髪を持ち、紅い宝石の様な目を持つ男か女か分からない中性的な顔だちをした十代ぐらいの人がニヤリと笑った。
「銀色の髪に紅い瞳…も、もしや。」
「シー、それ以上言っちゃ駄目ですよ。元暗部さん。」
一人の男が後退り、何かを言おうとした瞬間、クナイが男の顔の横を通り抜けて壁に刺さった。
そしてナルトは人差し指を口元に持っていき、シーっと言ったら殺すぞっと殺気を少し飛ばした。
「四代目に知らせませんので引いてくれませんか?」
「はっ、はい。」
「すいませんでした!」
「ヒーッ!!」
逃げて行く大人共を見ながらはぁ〜と溜め息をついたナルトはシカマルを見て、から影分身の自分を見てまた溜め息をついた。
「あんた一体何もんだ…?」
「私ですか?」
ナルトはボロボロの影分身に近付き、手にチャクラを集め治療をしながらシカマルの問いに聞き返した。
聞き返されたシカマルはあぁと声を出して頷いた。
「私はこの子の 監視役ですよ」
「監視役って、何でナルトが監視されてんだよ」
影分身の治療が終わったナルトは影分身を抱っこして立ち上った。
「それが知りたければ私の隣りに立てるぐらい強くなって下さい。そうすれば全部教えてあげますよ。奈良シカマルくん」
シカマルは元々力はある。だからそれをどう使い分けて俺の隣りに立てるだけの実力を付けるか、俺の事を知って欲しいたとえ拒絶されるとしてもシカマルならいいてばよ。
ナルトはフッと笑うと影分身と共にその場から消えた。
取り残されたシカマルは獲物を見つけた野獣の様に楽しそうに口元を吊り上げた。
-END-
あれ?何か中途半端で終わっちゃった(・_・;)
でも本当は続き書きたかったりしたけど書いてると長くなりそうで止めました。
気が向いたら書くかもです。
2009.9.23 完結
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