嘘2
「姉さん、カフェに居ないから探したよ。って、そちらの軍人さんは?」
「あっ、こちらの方は…」
「ロイ・マスタングです。初めまして。」
アルの質問に答えようとしたエドだったが先にロイが自ら自己紹介をし、女なら必ず落ちるだろう笑顔を向けた。
そのせいで周りにいた女達がパタパタと倒れていくのが見えた。
(お気の毒に…)
そんなことを思いながら俺はもしかして女だってバレたの!?と目で問い掛けくるアルに首を左右に軽く振った。
バレてたまるか!と目で言いながら
「僕はアルフォンス・ホーエンハイムです。」
エルリックを使わない様に父の名字を使ったアルにエドはナイス!と心の中でガッツポーズをしていた。
(ホーエンハイム…何処かで聞いた事が…)
「マ…ン…さん…!マスタングさん!!」
フム…と悩んでいたロイは先度名乗ったアルフォンスに話し掛けられ、ハッとして二人を見ると不安そうにこちらを向いていた。
「すまない。少し君の名字に聞き覚えがあってね。」
「そうなんですか。」
「ホーエンハイムなんていくらでもいるわ。」
「姉さん…ホーエンハイムなんて少数だと思うよ。」
「っ!私は嫌いなのよ!ホーエンハイムなんて、あの人の血を引いてるってだけで散々だったんだから!」
怒鳴る様に言ったエドにロイは驚いた様な顔をしていた。
「姉さんロイさんが驚いてるよ。」
「えっ?あ、ごめんなさい取り乱して…」
アルに言われて気が付いたエドはハッとしてロイに謝った
「色々あった様ですね。」
優しく言ってくるロイにえぇまぁと曖昧に答えた
「姉さん。そろそろ」
「そうだったわね。ロイさんそろそろ私達はここら辺で失礼します。」
時計を見たアルは、エドに耳打ちした
それに反応したエドはロイにさっさと仕事に戻りやがれ糞准将殿と心の中でぼやきながら、それとは対象的に話しを終わらせようとした
「止めてしまってすまなかったね。また会えた時に誘い直すとするよ。」
また誘う気のロイはエドの手を取り、手の甲に口付けを落とした
それに内心穏やかでないのはやられたエドだ。
女ったらし!女の敵!!腐れ若童!!!など訳の分からん言葉をエドは並べ、心の中で思いっきり叫んでいた
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