俺達が中央司令部に来てそろそろ一週間がたとうとしていたある非番の日。

俺は落ち着いているオープンカフェで読書をしながら紅茶を飲み、弟のアルを待っていた。そして此所にいる筈の無い青い軍服を着た上司を見つけてしまった。

「よし、無視だ無視。」

何故無視をするかと言うと、今私服だからだ。「僕と会う時ぐらい女の格好してよ。」と可愛い弟に言われ、しかも夏の暑さに負、さらしも巻かず、エレヤが「夏なんだからこう言うもの着てみて下さいよ大佐♪」と無理矢理渡してきた裾が膝ぐらいまでの薄い水色のワンピースという、すっげーラフな格好をしているからだ。

しかも髪を下ろしている為、どっから見ても女の筈だ。

(ぜってぇバレる!来んなよ!!)

心の中で来ないでくれ!と祈りながら恐る恐るさっき少将がいた場所を見ると、少将と目がばっちりとあった。そしてこっちに歩いて来やがった!!

「やべぇっ!どうする俺!!」

自分に質問をするなんて生まれてはじめましてだ。ってそんなことはどうでもいいんだ!とにかくお金を払って逃げよう。

うんそれがいい。
「ご馳走さん。」

机にお金を置き、読んでた本を持ち少将と逆方向へと怪しまれない様、早歩きをしながら人の波で姿をくらまそうとした時腕を掴まれた。

「少し宜しいですか?金髪の可愛らしいお嬢さん。」

(お嬢さん言うな!タラシだと聞いたが二十歳に満たない奴まで声掛けるなんて予想外すぎだι早く来てくれ弟よ!!)

「わ、私の事ですか?」

意を決して振り返り、裏声を使ってニコリと微笑んだ。

(恥!!早く来いっアル〜〜っ!)

「貴方の他にこんなにも綺麗な金髪の持ち主はいませんよ。」

ブルブル

さ、寒気が…

「…ところで私に何か用ですか?」
「はい、貴方の美しさに引かれてしまいまして。お話ししたいと思いまして。」

誰がてめぇ何かと話ししなきゃいけねぇんだよ!

「すいません。実は弟と約束をしていまして。」
「そうですか。それでは無理ですね。…では今度会って頂けませんか?」

毎日の様に会ってんだろ!!クソ少将!!!

「えっ、今度ですか?」

内心とは裏腹に問い掛けると駄目でしょうか?と聞かれる。駄目だ!と言ってやりたいが、言っても無駄だろう。

「私此所に住んで居ないので何時来れるか…」
「姉さん!」

分からないのでと言おうとした俺に聞き慣れた声が聞こえて、ヨッシャ!!と内心ガッツポーズをとっていた。















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