それが君との出会い
『大総統の名においてエドワード・エルリック、地位は大佐。二つ名、鋼の錬金術師を中央(セントラル)に移動を命ずる。』
その手紙が東方司令部に届いたのは二日前。
俺は今、中央司令部の門の前に居る。
「大佐。」
「あぁ、行くぞ。アース、エレヤ。」
俺の言葉を合図に入って行こうとしたが。
「ちょっと、子供を司令部に連れて貰っては困るよ。」
門番がエドを見て困った顔で見下ろされる。
プチッ…
「ん?何か変な音が…!!」
「誰が見下ろさなきゃ見えねえミジンコドチビだ──ッ!!」
「ちょ、大佐!」
「一々暴れないで下さい!!」
暴れ様としたエドをアースが押えて、エレヤが説教をする。
イライラ度上昇だ。
チッ…
「エドワード・エルリックだ。」
国家錬金術師の資格、銀時計をズボンのポケットから出し名を名乗った。
「あの最年少国家錬金術殿でございますか!?失礼しました!どうぞお入り下さい!!」
門番は驚いた顔をして中へ招入れられ、俺達は門から司令部への道を歩いていると、出入り口から名を呼ばれた。
「エルリック大佐ですね。」
「あぁ。エドワード・エルリックだ。で、こいつらは俺の部下のガイ・アースとエレヤ・ファンスだ。」
エドの紹介に二人はお辞儀をした。
コンコン
「少将。エルリック大佐がいらっしゃいました。」
「入れ。」
ドアを開けると黒目、黒髪の男が椅子に座り、机に両肘付いた。
失礼します。と礼をして俺は顔を上げる。
「こんな小さい子供が大佐とわな。」
「小さい……子供だと?」
「大佐落ち着いて下さいよ。」
「チッ…分かってるよ。東方司令部から移動になりましたエドワード・エルリック、地位は大佐、二つ名を鋼の錬金術師。そして俺の部下の…ガイ・アース少佐、エレヤ・ファンス中尉。今日から貴方の下で働かせて頂きます。」
小さいと子供に反応した俺はキレる寸前。それをエレヤがだめる様にポソリと言う。
それに舌打ちをして溜め息と共に言葉を吐き出し、マスタング少将に知ってると思うが自分の名前と部下達の名前を言い、これからお世話になる上司に改めて礼をした。
「あぁ。知ってると思うが、私の名はロイ・マスタング、地位を少将、二つ名を焔の錬金術師だ。君達を歓迎するよ。」
それがこの上司とのムカつく出会いだった。
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