MISSION*01
窓があるところは全てカーテンで閉ざされている薄暗い空間。静かで冷たい空気。そんな締め切った部屋に、電気も付けずその場で佇む2つの影が見えた。
「───最近、立海大附属中の生徒が意味もなく怪我をする割合が増えてきたと思いましてね」
「……はい」
低い声と、その声よりも少し高めの声。
「今の立海はとても危険な状態と聞きました」
「ええ、怪我人はまだ増えるかも知れません」
「やはり……私の友人が言うにはこの学校に関わる妖怪の仕業らしいですが」
「その可能性は高いでしょう。これはあくまで私の推測ですが、……おそらく今回の件は七不思議に関係しているかと」
「七不思議、ですか……」
「はい。ですが立海の七不思議は少し厄介です。次の七不思議の空間へ繋がる時間帯を避けなければいけません」
「そうですか。……ならばそのことについては私が対処しましょう。依頼だからと言ってあなたは無理をしないようにくれぐれも気を付けるのですよ」
淡々と続く会話の中、1人が口角をあげて怪しい笑みを浮かべながら、静かに声を発した。
「お願いします。それが出来れば何の問題もありません。その後は全て───“私たち”に任せてください。」
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