3.姉弟

ノア…ホラ行くよ」
金髪のショートヘアの女の子が、ボクを呼んでる…
この子は誰…?
「ノア、ノア…!ほら、おいで…」
「待って…!○○ちゃん!」

「ノア!ノアってばぁ!」
「ん…なんだリディーか…」
「なんだとはなによ!ほら、仕事の時間だよ!」
「え〜めんどくさい…」
ボク等死神の世界にも夜は来る。
そして人間界と同じようにこの世界も朝も来る。
ボクたち死神も人間と同じように寝る。
ボクは、夢を見ていた。
あの金髪の女の子はボクを知っているみたいだった。
一体誰なんだろう…?
「ノアってば〜!」
「ううぅ、わかったよう!今すぐ行くから!」
ボクはマントをかぶり、仕事へと向かった。

その頃現世では…

「ノア、ノア…!いるなら返事をしてよ…ヒック…」
夜の河原で金髪の少女が一人夜空を見上げて泣いていた。
この少女の名はロゼル=ルジャーナ。
ノアの姉だ。
一か月ほど前、ロゼルとノアは交通事故に巻き込まれた。
ロゼルは生き残ったが、ノアは死んでしまったのだった。
あの日以来、ロゼルはこうして夜空に向かって語りかけるようになった。
あの星空の中に弟のノアがいると信じて…。
「ねえ、ノア、覚えてるかな?
大きな木の前で2人で写真撮ったこと…」

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