９．天国…？
まぶしい…ここはどこだろう？
ああそうか…ボクは天国に来たんだ
もうお姉ちゃんには会えないんだ…
でもいつかきっと…
ノアはそっと目を開けた。
すると…
「ノア！？」
「ノア！！よかったぁ…本当に良かった…うわぁーん…」
ロゼルが泣きながら抱きついてきた。
「お姉…ちゃん？うっ、痛っ…」
ノアは体中に激しい痛みを覚えた。
「ノア、傷が痛むのね？かわいそうに…」
「傷？」
ノアはそこで自分が病院のベッドの上にいること、体中が包帯だらけだということに気がついた。
右の目まで包帯で覆われている。
「え…何これ？一体どうなってるの？」
「ノア、何も覚えてないの？交通事故のこと…あなたったら全然目を覚まさないからもうダメなのかと…ううっ…」
ノアはそこでようやく自分が事故で死んでしまったことを思い出した。
交通事故ああそうだ、そうだったんだ…でもどうして？ボクは何で戻ってきたの？
突然起きた奇跡に戸惑いながらも、ノアはロゼルと再び生きてゆけることを素直に喜んだ。
もう一人ぼっちになんかしないからね、お姉ちゃん…。
ノアはズキズキと痛む手でロゼルの頭をやさしく撫でた。
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