08.5 試合終了のブザーが響く。 千秋は眉を顰めて得点板を見下ろす。 112-55。ダブルスコアで__誠凛の完敗である。 「ダブルスコア、」 「……こんな試合を最後まで観るなんて俺もどうかしているのだよ。じゃあな、黄瀬、千秋」 「早っス!」 黄瀬はさっさと帰ろうとする緑間に呆れたような目を向けた。 「この結果に、ちょっとはショックとかないんスかー?」 「俺の心配をするくらいなら、黒子の心配をした方がいいのだよ」 「え?」 緑間は千秋を見やる。一瞬視線が交わると、すぐに逸らした。 「スコア以上に、青峰に黒子のバスケは全く通用しなかった。精神的にも相当なダメージだろう。しかも誠凛はまだ若いチームだ。この修正を一晩でするのは容易ではない。…残り2試合に、影響がなければいいがな」 緑間のその懸念通り、誠凛は決勝リーグの残り2試合、全てを懸けて挑み、そして____ 対鳴成、79-78。対泉真館、96-78。 __昨年同様、決勝リーグで姿を消すこととなった。 →後書きという名の謝罪 next |