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インターハイ予選トーナメントAブロック決勝、秀徳高校対誠凛高校の試合は激闘の末、82-81で誠凛が逆転勝ちを収めた。
千秋は携帯の画面を見て目を細める。隣を歩いていた黄瀬はそんな千秋に目敏く気づいて、「何見てるんっスか?」と画面を覗き込んできた。

「インターハイの情報サイト。トーナメントはAブロックが最終だったから、決勝リーグの出場校は出揃ってんだよ」
「へぇ……」

決勝リーグ出場校は、誠凛、鳴成、泉真館、そして__桐皇学園。

「やっぱり青峰っちは出てくるんスね」
「…あいつが居て早々負けるとも思えないしな」
「それもそうっスね」

千秋は暫く画面を見つめて、息を吐くと電源を落とした。

「笠松先輩、千秋っち! ちょっとお腹空いたし、ご飯食べに行きたいっス!」
「おう、行けよ」

笠松と千秋の台詞が被る。別に報告しなくても1人で行けば良いじゃん、と千秋がついでのように呟くと黄瀬は涙目になってばしばしと千秋の背中を叩いてきた。

「いや違っ……そうじゃなくて!」
「痛っ、いてぇっつの馬鹿!」
「みんなで行こうよってことなんスけど!」

気づかない振りで流そうと思ったのだが。まあさすがにそうとは言えないし、そこまで断る理由もなかったので、笠松に視線を向ける。

「俺は良いけど…」
「笠松先輩は?」
「ん、ああ…まあ別に良いぜ。俺も腹減ったし」
「やった! 確か近くにお好み焼き屋さんがあったんスよねーっ」

嬉々として携帯をつつきだす黄瀬を横目に、笠松と千秋は目を合わせて首をすくめた。



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