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攻められたのと嬉しいのと感動とで、色んな感情が溢れてきて本当に泣きそうになる。
大きく呼吸を繰り返しながら「うん」やっとそう言った私を、ギュッてただ緩く抱きしめてくれる隆二。
ポンポンって私の髪を撫でながら頬にチュッて小さなキスを落とす。
「ごめんね、何か俺すごい興奮しちゃって。ちょっと理性吹っ飛んじゃってたから…」
無駄の一切ない完璧と見れる身体と強いのに優しい腕に抱きしめられて至極幸せを感じる。
こんな完璧な人の理性を吹っ飛ばさせた私は嬉しくて。
今まで男に抱かれるのに理性を無くさせたことなんてあっただろうか。
それこそ私も前の男のことなんて覚えてなくて。
だからさっき隆二の言った言葉がよくよく分かった。
ふふって笑った私を覗き込む隆二はキョトンとしていて。
「ユヅキ?」
「え?あ、うううん。分かったの、隆二が言ってくれた言葉の意味が」
そう言う私をまだ不思議そうに見ていて。
「今までの恋愛全部忘れるくらい私…隆二に夢中になってるんだって…」
私の言葉に、一瞬目を大きく広げる隆二は、照れたように自分の口元にある髭を触った。
それからゆっくりと、大きく溜息をつく隆二。
え?
抱きしめている手を動かして私の手首を掴むと、あろうことか隆二は自分のそこに私の手を宛がたった。
至って正常なその膨らみと硬さに思わずプッと吹き出した。
「反応しまくり…」
「うん。すっごい硬い…」
「何か照れる、その言い方」
「ほんと?でも私真実を述べただけだよ」
「そうだけど…」
ちょっとだけ恥ずかしそうに目を逸らすから、そんな隆二を追いかけて視線を絡ませる。
ギュッて横から隆二の身体に巻き付く私をそれでも柔らかく抱き寄せてくれる優しい隆二。
そんな隆二のこんがり肌に、今度は私が舌を這わせたんだ。
ビクッて反応した隆二をベッドの下に組み伏せて、馬乗りした私はそのまま隆二の肌にキスをふらせていく。
「はぁーっ」って一度大きく息を吐き出した隆二は、薄い唇から甘い吐息を零す。
ピンっとたった小さな突起の周りを舌で縁取るように舐めると「ンンッ」小さく声を漏らした。
反対側の手で隆二のもう片方の突起を触りながら身体を倒した私は縁どったそこにチュッと吸い付いた。
「ハアッ」
甘い声を漏らしながら隆二の手が私の頭に添えられた。
全く力の入っていないその手で私を優しく撫でる隆二にやっぱりキュンとする。
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