「おい、愉快な顔をしてどうした」
「愉快な顔!? 失礼な……って、そんなことどうでもよくて、おい、これ見ろよ!」
「あ?」

 さり気なく貶してくるそいつに突っ込みかけたのを飲み込んでケースを顔に突きつけた。部屋を見渡していた男は訝しげにこっちを見、目を見開いた。

「……こりゃあ、どういうことだ」
「俺が知るかよ! ……えっと、お前この真ん中のやつだよな?」
「ああ、確かに俺様だが…待て、何故横にアストラムが…」

 もしかしてアストラムってのは国名でも地名でもなく人名か?

「おい、コウサカレオ」
「なんで一つの名前のように言ってんだよ。玲於でいい」
「じゃあよ、玲於。俺様は取り敢えず状況を知りてェ。早く戻らねぇとアストラムが攻めてきやがる」
「そのアストラムってのは…」
「俺様の横にいる無駄に煌びやかな奴だよ。ま、俺様には負けるがな」