忍足侑士 -いざ尋常に勝負!

*会話文





「ふっふっふっ、ジロー、勝負や!」

「やだー」

「ほな、始めよか」

「ヤダって言ってるのに〜」

「今日こそ勝つ!」

「聞いてないC…」

「はよこっち来い、ここ座り」

「…はいはい」

「いくで〜」

「何で勝負なの?ドラゴンボール?」

「今回はWiiや!」

「…マリオカートね」

「この前とは一味も二味も違う、忍足侑士をー」

「はいはい。で、2人でやるの?4人でやるの?」

「俺とお前のデスマッチに決まってるやん」

「…ですまっち、ね」

「よし、はよキャラ選び」

「はいはい。じゃ、マリオでも〜」

「!!ちょお待ち」

「なに〜」

「ジロー、ディディやろ?」

「…そだっけ」

「この前の対戦、ディディばっか選んどったやん」

「ディディがいい?」

「いや、お前の好きなモンでええけど」

「じゃ、ルイージでも〜」

「!!ルイージやて?」

「なんでもいいんでしょ?」

「ええけど……けどやなぁ」

「(岳人……にらまないでよ。わかった、わかったから)
じゃ、ディディにするー」

「せやな!ジローはディディやし」

「マシンもスーパーゲッソーがいいんだよね?」

「うん?俺に聞かんと、好きなの選び」

「ふ〜ん。本当に?」

「…使い慣れたマシンのほうがええやん。ジローのディディは、スーパーゲッソーやろ?」

「(だから岳人、睨まないでっテバ。ちゃんと選ぶから)
そだね〜、じゃあディディ&スーパーゲッソーで」

「よし!勝負!!」

「コースは?」

「最初はキノコカップや!」

「おっけ〜」











「ちょっと、調子が」

「次、やるの?」

「当たり前や!」

「はいはい」

「サンダーカップで、勝負!」

「行っくよ〜」

「よっしゃあ、やるで!」









「……」

「あと2人入れて、4人でやる?」

「……どういう意味?」

「4人でやるほうが、順位の入れ替えもいろいろあるだろうし〜」

「!ガチンコ勝負じゃ、自分を抜かれへんって?」

「(そうだけど)そうじゃなくてさー」

「あかん、まだまだ!」

「…あ、そう?」

「今度は一回勝負!」

「はいはい」

「スペシャルカップの、クッパキャッスルや!」

「…大丈夫?」

「なにが」

「オレ、クッパキャッスル得意なんだけど」

「!!」

「…コース、かえる?」

「いや、男に二言は無い。クッパキャッスルでいざ!」

「…はーい」







「(しゅ、周回遅れ……)」

「忍足?」

「……」

「おーい」

「……」

「だから、得意だって言ったC…」

「……」

「岳人と交代しよっか?オレ、見てるしぃ」

「……あかん」

「う?」

「まだや」

「でもさ〜。じゃ、やっぱ2人追加して、4人でやろうよ〜?」

「……」

「この前より早くなったじゃん。強くなってるよ?忍足」

「…周回遅れ……」

「クッパキャッスル大得意だからさー」

「……どこか苦手なコースって、あるん?」

「苦手なコース?う〜ん」

「……」

「レインボーロードかな〜。ぼけーっとしてると、たまに落っこちちゃうし」

「!!ほなレインボーコースでやろか〜」

「…はーい
(特に苦手でも無いんだけど……勝っちゃって大丈夫かな〜)」

「よし、ジロー。始めるで」

「おっけ」

3.2.1.GO!









「………」

「あー…」

「……落ちひんやん」

「たまたまだC」

「………」

「おれ、トイレいってくる」

「…ちょい待ち」

「わっ!ちょっと、急に掴むなよ」

「勝ち逃げなんて、させへんで」

「と、トイレに行くだけだしぃ」

「終わってからにしぃや」

「もれちゃったらどーすんだよ」

「よし、『おばけぬま』で勝負せいや!」

「はぁ…聞いてないし……ってか、岳人!」




「うん…いいから、『おばけぬま』やってやれよ」



「……も〜これ、最後だからね?」












「…忍足?」

「……」

「今までで一番、僅差だったんじゃない?おばけぬま」

「……なんで、赤甲羅打たんかったん?」

「へ?」

「ていうか、ジロー。アイテム殆ど取らんかったやん」

「……」

「最後にとった赤甲羅、使わんとゴールしたん、なんでや?」

「いや、ほら。オレの前、誰もいなかったし」

「後ろに飛ばせるやん」

「ゴール直前にとったアイテムだったしさ。使わなくても、いいかなーって」

「てういか何で、俺の赤甲羅に当たらんの?!」

「う〜んと」

「あれって避けられないんちゃうん?」

「基本的にはそーなんだけど」

「おかしいやん。もうちょっとで当たるところなのに、なんでジローのディディに当たらへんの?!」

「あー…」

「秘密でもあるん?!」

「(当たる当たらない以前に、忍足のはるか彼方先を走ってるからだC…)」

「なんでや!?」

「……トイレ、トイレ!オレ、もうだめ!もれちゃうC!」

「あ、待ちぃ!」

「ついてくんなよ〜」

「まだ勝負は終わってへん」

「も〜オレの棄権負けでいい!」

「何言っとん?」

「引っ張るなよ〜トイレ行かせてよー」

「秘密を吐けや」

「ヒミツなんて無いしぃ〜もぉ〜〜岳人!!」

「岳人関係あれへん!」

「いいから、忍足はマリオカートやってろよ〜」

「ジローとの勝負、終わってないやんか」

「終わったよ〜もう、早く、岳人!!」





「…うん。トイレ行ってこいよ」

「任せたからね?」

「おう。…侑士、ジローはなしてやって」

「なんでや!?」

「トイレだって言ってるしぃ!!」

「戻ってきたら、また勝負してくれるから、とりあえず行かせてやれよ」

「あ、ちょっ、岳人!!なに勝手にー」

「とりあえずジローが戻るまで、4人でやろうぜ?」

「しゃーないな」

「(ほら、ジロー。今のうちに行けよ)」

「(戻ったらまた付き合うの?オレ??)」

「(10分後くらいに戻って来いよ。それまでに何とかしとくから)」

「(ほんと、頼むよ?)」







「よし、じゃ〜あと2人だな〜」

「ジローが来るまでの前哨戦や!」

「…頑張れよ」

「レインボーロードで特訓やで」

「(あいつ、別に苦手なコースとか、無いけどな)
とりあえず、あと2人だな」

「ん!なんか、皆こっち見てへん?」

「あぁ…(注目の的だったぜ)」

「誰かやらんかー?」







夕食後に始まったゲーム大会。各種そろったゲーム機で対戦するものもいれば、ビリヤード、ダーツ、カードゲームに興じるものも多々。
が、忍足侑士と芥川慈郎のマリオカート勝負が続くにつれて、各自手をとめ、二人の対戦を見る者……が増えていって。
とりあえずトイレ避難した慈郎のかわりの3人として、向日、切原、桃城の4人で続きを行うことにしたらしい、、『俺様が祝う部員の誕生パーティ』5月5日、夜のこと。







>>次ページ with 跡部   >>目次

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岳人にうまく言いくるめられ、ジローが戻る頃には4人対戦に夢中になっていたらしいですよ(「侑士は単純だから」by岳人)。
ジロちゃんは別グループに参加して、ストリートファイターvs鉄拳で格ゲーで遊んだんだとか(菊丸・柳生・神尾・宍戸あたりと一緒に)
…が、そこから約1ヶ月、毎日部活終わると忍足に家までついてこられて、マリオカート申し込まれたんだとか。
「今度はマリオカートなのね〜」byジロー母
「侑士くん、まじまじ弱いね〜」byジロー妹

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