向日岳人 -跡部ッキンガム宮殿までの道

*会話文





「こんちわー」

「あら岳ちゃん、いらっしゃい」

「おばさん、ジロー起きてる?」

「ちょっと待っててね。慈郎、起きなさ〜い!」

「起きてるよ〜」

「ほら、しゃんとして」

「はぁ〜い」

「跡部くんの言うことちゃんと聞いて」

「お母さ〜ん、もう耳タコだC〜」

「イイこにしてなさいよ?」

「オレ、もう17歳だしぃ。。。」

「岳ちゃん、よろしくね」

「うん。ちゃんと明日連れて帰ってくるから」

「じゃ、二人ともいってらっしゃい」

「「いってきま〜す」」






「ねぇ、シシドは?」

「亮?先に行った」

「ふ〜ん」

「朝ランニングしててそのまま行ったんだと。さっきメールきた」

「休みなのにエラいね〜」

「いつものことだろ」

「今日、誰くるかなぁ」

「お前が揃えたんだっけか」

「そろえたっていうか、何人かにメールで誘ってみただけだC」

「おい。跡部に『人数集めろ』って言われてただろ?」

「何人になってるかわかんない」

「お前、誰誘ったんだよ」

「丸井くんと〜、不二」

「そんだけか!?」

「二人とも、色々声かけてくれるって言うから」

「丸井と不二しか来てなかったら、どーすんだよ」

「あはは、テニストーナメントどころじゃないね〜」

「オレらで8人、丸井と不二で、10人か〜」

「もうちょっと来るっしょ」

「お前、跡部にちゃんと人数報告したのかよ」

「ほうこく??」

「おい。食事とか客室とか、アイツん家にも準備があるだろーが。人数未定って」

「アトベに聞かれたとき、丸井くんと不二誘ったーって、ちゃんと言ったC」

「それだけか…」

「他に聞かれなかったから」

「そーかよ。
(ま、跡部のことだから大丈夫だろうけどよ)」

「岳人、何か持ってきた?」

「おう。Wiiのソフトな」

「跡部ん家、Wiiあったっけ?」

「おい。お前が置かせたんだろーが」

「そんなことしてないC」

「中学ん時、跡部ん家でゲームしたいって言っただろ」

「それ、プレステでしょ?」

「そんときにプレステ以外も、たいがいのゲーム機揃えただろ、アイツ」

「そうだっけ?」

「Wiiで桃鉄やっただろーが」

「あ、そうだった。忍足がどビンボーで断トツビリだったヤツ」

「侑士ってああいうの、マジ弱いからな」

「ていうか何でも弱いよね」

「ゲームのセンスが無いんだよなー」

「格ゲーも、まじまじチョー弱くて、つまんないC」

「でも、やりたがるよな」

「今日、またレイジングブラスト2で勝負勝負言ってくるかなぁ」

「あぁ、ドラゴンボールか。プレステだっけ」

「プレステ3のヤツ。前それでギッタギタに叩きのめしたら、その後がちょっと面倒だったー」

「1ヶ月くらいお前ん家いって、対戦申し込んでたんだっけ」

「一回も負けなかったけどね」

「侑士、そうとう練習したんだぜ?お前にノされてから、ずっと家でプレステ3にかじりついて特訓してたから」

「岳人もつきあったの?」

「まぁな。ていうかあいつん家遊びにいったら、毎回付き合わされてな〜」

「最近はこないから、あきらめたかなぁ?」

「どーだろうな。前、侑士ん家泊まったときは、Wiiでマリオカートだったけど」

「マリオカート……」

「なんでか知んねぇけど、俺のヤツまで勝手に選ぶんだよな〜」

「もしや、キャラがディディで、マシンがスーパーゲッソー?」

「よくわかったな〜毎回それでやらされるんだぜ……って、まさか」

「……まさかだよ」

「お前のキャラ&マシンかよ」

「たまたまだけど」

「お前いつもデイジーじゃん。たまたまその組み合わせで、侑士をフルボッコにしたってか」

「レイジングブラストでボッコボコにするのもちょっと飽きたから、Wiiマリオカートやっただけだしぃ」

「それで、ディディで侑士のドンキーコング蹴散らした?」

「だって、まじまじ弱いんだもん」

「…俺、仮想ジローだったのかよ」

「たまたま、忍足と対戦したときにディディで、マシンをスーパーゲッソーにしただけだしぃ」

「お前の黄金パターンは『デイジー&ワイルドスター』だしな」

「じゃあ今日はマリオカートで来るかなぁ」

「だろうな。俺、持ってきてるし」

「Wiiソフト?」

「うん。侑士も持ってきてるかもしんないけど」

「跡部ん家にありそうだけどね」

「対戦申し込まれたら、ディディでやってやれよ?」

「う〜ん。でも、オレ、デイジーの方が早いんだけどな〜」

「…カワイソウだろ?ディディ&スーパーゲッソー相手に猛特訓してんだしよ」

「でも、相手が岳人ならデイジーでやるよ?」

「俺はいいけどよ……侑士が見たら、泣いちゃうな」

「今日またボッコボコにしちゃったら、また一ヶ月オレん家、通いつめちゃうかなぁ」

「いっそ、スペックが弱いキャラとマシンでやってやればどうだ?」

「それで大差勝ちしたら、どうなるの?」

「……面倒くさくなりそうだな。将棋ゲームとかにしてやればどうだ?」

「興味ないC」

「だよなぁ〜」





5月5日お昼どき。
跡部主催の、芥川慈郎誕生日お祝いと称した『俺様が祝う部員の誕生パーティ』へ向かう、主賓とその幼馴染。
*氷帝テニス部(一部部員)、初夏の恒例行事





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ジロ誕では、毎年跡部たまが主催でパーティをしてくれるんです。
(赤也編のジロ誕における『俺様パーティ』との関連はありません。同じ設定ですが)


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