英語とブンジロとときどき跡部

*会話文



『How long does it takes ? 』

『around 30min' 』

『All right 』

『May I have your name please ?, & How many of you... 』

『2 people, and I'm Jiro 』

『OK, Jiro. Take this, it will shake like this〜♪
when table is ready 』

『Hahaha、ok, I see 』






「お待たせ〜」

「おかえり。どーだった?」

「30分だって」

「ま、ンなもんか。ん?なんだそれ」

「テーブル用意できたら、コレがブルブル鳴るんだって」

「じゃこの辺にいないとダメだな」

「うん。半径30Mくらいだと思う」

「よし、座っとくか。あそこのソファ空いてる」

「だね」

「なージロくん」

「うん?」

「結構喋れんのな」

「う?英語?」

「うん。旅行中、ずっとジロくんに頼りっきりじゃん?」

「そんなにペラペラでもないよ?旅で困らないくらいだC」

「留学ー…はしてねぇよな。ずっと氷帝だし」

「あはは、してないしてない」

「塾や英会話って行ってたっけ?」

「ううん」

「氷帝ってすげぇのな」

「う〜ん、どうなんかなぁ。まぁ、喋れる生徒も多いけど、宍戸は全然ダメだし」

「跡部はペラペラだろ?」

「アレはヨーロッパ人だから。立海だって、そっち系のカリキュラム充実してるっしょ」

「比呂士と幸村くんはペラペラだけど、赤也はからっきしだしなー。ま、ジャッカルもいくつか喋れるな」

「ブラジルだから〜、ポルトガル語系?」

「ブラジル語だかポルトガル語かスペイン語かよくわかんねぇけど、全体的に似たようなモンらしい」

「オレ、スパニッシュはダメだな〜全然わかんねぇ」

「氷帝は第二外国語まで結構ビッチリやるんだよな?」

「うん。英語は必修だけど、第二は自由だから皆取ってるのバラバラだけどね。ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、ギリシャ語ー」

「ギリシャ語なんてあんの?」

「跡部が得意だからって、オレ関係ないのに取らされた」

「じゃジロくん、ギリシャ語もいけんの?」

「ぜーんぜん。挨拶くらいだよ。忘れちった」

「…やっぱすっげぇな」

「学校っていうか、う〜ん、確かに氷帝は語学関連は充実してると思うけど、オレの場合はちょっと違うかな〜」

「英語?」

「うん。学校でも会話の授業で、オーラルコミュニケーションってやつ?はあるんだけど、中学のときにスパルタで叩き込まれたからかも」

「学校で?」

「いや、跡部」

「なんで跡部?」

「『いいかお前ら。俺様が生徒会長かつテニス部部長である以上、お前らテニス部員は文武両道は当然ー』から始まって、2ヶ国語は当たり前だ!ってスパルタ」

「テニス部全員がか?!」

「200人以上いるから、さすがの跡部も全員は管理しきれなかったけど、レギュラーと準レギュラーは必須。赤点なんて許されなかったし…というか、高得点あたりまえー!みたいな」

「氷帝って偏差値高いし、すんげぇ進学校じゃん。皆成績いいんじゃねぇの?」

「オレは幼稚舎から氷帝だから、よくわかんないけどね。確かに外部生は成績いい人ばっかりだけど。まぁ、それで『英語は喋れて当たり前だ!』って跡部ん家でスパルタ特訓受けたら、半年くらいでなんとなく喋れるようになって、1年もたつと旅行に困らないくらいになったんだよね」

「レギュラー全員が?」

「忍足は元々ちょっと出来るし、岳人は英語得意だから二人は割とすぐ喋れるようになったよ。樺ちゃんと鳳は最初から英語は問題ないし、ひよCと宍戸は今も正直微妙だけど…」

「ジロくんは?」

「オレは最初ダメだったけど、毎週跡部ん家で特訓があってさ。いつの間に、普通に会話できるようになってたかなぁ」

「跡部ん家で特訓…」

「すんげぇスパルタなの。普段は環境整えるだけで、あとは本人次第だ!っていうタイプなのに、逃げさしてくんなかったんだよね」

「ジロくんだけ?」

「最初はみんな一緒だったんだけど、忍足と岳人がすぐに喋れるようになって一抜けして、宍戸は逃げた」

「逃げさしてくんねーんじゃねぇの?」

「オレも逃げようとしたんだけど、宍戸が逃げてから厳しくなったんだC…」

「跡部が教えンのか?」

「半分半分かなぁ。学校で英会話と英語習って、週末は跡部ん家でイングランド出身の家庭教師?みたいな人に英会話マンツーマンでやって、終わったら夕飯ご馳走になるんだけど、そのあとは寝るまで跡部にマンツーマン……まじまじ、今思い出すだけでも厳しー日々だったんだC」

「すえげぇな。……でも、そのおかげで今困らねぇんだもんなー」

「うん。そこは感謝してる」

「俺んとこも跡部みたいなのがいればなー」

「あはは。英語は問題なく喋れるようにはなるねぇ、きっと。でも、すんごくスパルタだよ?」

「真田みたいな鉄拳制裁はないだろ?」

「鉄拳は無いけどさ。終わるまで寝れねぇし、ちゃんとできないとケーキはお預けで、課題も増やされるし、あんまり酷いと終わるまで部活出れなかったり」

「ケーキ……厳しいんだか甘いんだか。でも、テニスできねぇのか…」

「ちゃんと出来たらふっかふかのベッドで寝させてくれるし、ほわほわのドゥーブルフロマージュと香りがすんごくいいモカマタリ淹れてくれたりすんだよねぇ」

「……やっぱいいな、そっち。チーズケーキとコーヒーか」

「フルーツタルトと紅茶のときもあったよ。キル○ェボンのタルトより、跡部ん家のタルトのほうがうまいんだよねー」

「キル○ェボンより…?」

「1カットをデカくしてくれるし。シャインマスカットのタルトとか、イチジクのタルト、りんごとレモンクリームのタルトとかね」

「シャインマスカット…一度ケーキにつかってみたいモンだな」

「マジマジ、うまい葡萄だったな〜」

「うまいよな、あれ」

「うん。でも、オレ……跡部ん家のタルトもケーキもすんげぇ美味しくて大好きだけど」

「…?」





「丸井くんのケーキが、いっっっっっちばん、好き!」



「!!」






「帰ったらさ、部屋でお茶しよ?」

「…うん」

「タルト、作って?」

「おう。フルーツにすっか?チーズ?チョコ?」

「シャインマスカット」

「!!」

「すんげぇ美味しいから、丸井くんのタルトで食べてみたいなー」

「……(俺、買えるかな)」

「材料は心配しなくていーよ」

「へ?」

「跡部ん家って、色んな季節の果物がいっぱいあるんだよねぇ。いっつもいくと大量にくれんの」

「いいな〜、それ」

「ロザリオビアンコ、スチューベン、巨峰、ピオーネ、翠峰、マスカットオブアレキサンドリア、シャインマスカット、でしょ」

「葡萄だけでもすげぇのな」

「帰ったら、跡部ん家でシャインマスカット調達してくる」

「…いいのか、それ?」

「だいじょーぶ。今回の旅行でちゃんとお土産かってくし〜」

「釣り合ってないような」

「へーきへーき。一緒に跡部ん家、お土産渡しにいこ?」

「俺も?」

「丸井くん、高校卒業して一回も跡部に会ってないでしょ?」

「そういやそうだな」

「ついでにアイサツしてこーよ」

「ジロくんくださいって?」

「あっはっは」

「まー、ジロくんの保護者だしなー。いつかは行かねぇといけねーとは思ってたけど」

「行くって言っても、跡部も用事だなんだって逃げてたしねぇ」

「引越しのときも、アイツ来なかったなー」

「アレはへそ曲げちゃったんだよ。オレらが同居すんの反対してたし」

「同棲な」

「はいはい」

「……俺、跡部の家行って大丈夫か?」

「今は認めてくれてるからだいじょーぶ」

「………じゃ、帰ったら行くか」

「うん!ぜったいね。んで、シャインマスカットもらってこよ〜」

「…俺、跡部ん家でシャインマスカットのタルト作るわ」

「えぇ?なんで?」

「だってよ、貰うだけって悪いだろい」

「そーいうの跡部、別に気にしないけどねー」

「俺は気にする!それに…」

「う?」

「今の俺の腕をちゃんと見てもらって、跡部にわかってもらうよ」

「…」

「将来のために毎日ちゃんとしてるし、ジロくんのことも、もちろんちゃんと考えてるってことをさ」

「…まるいくん」

「いつか、店持ったら」

「…」

「最初はもちろんジロくんだけど、次に、跡部に食べてもらおうな」

「…そこは家族じゃないの?」

「母さんも父さんも、チビたちも俺のケーキは食べなれてるからいーの!」

「もうチビちゃんって歳でもないけどね、2人とも」

「アイツらは永遠にチビどもだ」

「あはは、そだね。じゃ、帰ったら跡部ん家だ」

「…おう」

「だいじょーぶだよ。きっと、跡部家特製のブレンド出してくれるから」

「……コーヒー?」

「ううん、紅茶。特級の契約茶園で仕入れた葉っぱで、特別にブレンドしてもらってるんだって。すんごい美味しいから」

「モカマタリじゃねぇの?」

「コーヒーも特製ブレンドですんごい美味しいけどね」

「フルーツタルトだから、紅茶のがいいのか?」

「好きなほうでいいと思うけど、でも跡部家特製ブレンド、まじ美味いから。それに、お客さんに出すときは気に入った人以外にはまず出てこないから」

「特製ブレンド紅茶?」

「そ。だから、跡部ん家行って紅茶出てきたら、認めてくれてるってことでいいと思う」

「ジロくんがいるから紅茶出すような気もすんだけど」

「そんなことねぇし〜。今はもう、跡部だいじょーぶだよ」

「そっか」

「オレのカレシって、ちゃんと認めてくれてるC」

「……まじ?」

「まじまじ。だから、逃げないでちゃんと一緒に、跡部ん家、いこーね?」

「………おう」





「あ、動いた。もう30分たった?」

「鳴った?」

「うん。動いてる。受付んとこ、いこ!」

「おう!」

「何食べよっかな〜」

「とりあえず2ポンドステーキと、オイスター3ダース先に頼んどくか」

「…最初は1ダースでいいんじゃないかな?」

「1ダースなんて、あっという間だろい」

「……オレ、普通に前菜とスープに、メインは丸井くんのちょっと貰うくらいでいいかなー」

「よし、じゃ俺が適当に頼むぞ」

「『適度』にね」

「おう、適当に!」

「違うC…」









(終わり) 

>>目次

***************

英語圏へ海外旅行中、レストランでのひとこまでした。

『世界を旅するプリガムレッド』のくくりで書き始めたブンジロだったのですが、会話文だからか、どんどん話が逸れてー

いつのまに同居設定になっていて、さらに跡部たまが反対しているなぞと。
ワテクシのブン太とジロちゃんが、どんどん二人で突っ走っていったような…勝手に二人が会話進めていきました(驚)。


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