切原くんの場合




春休みも終盤に差し掛かった3月末某日。
家族は3泊4日の北海道旅行に出かけ、自分はテニス部の練習があるからと一人留守番を買って出た。
もちろん練習といっても終日やっているわけではないから、半日はフリー。
そして、夜は完全に自由。

高校生の身には、ちょっとした開放感とともに、イケないこともしてみようか…なんて思ったり思わなかったり。

とりあえずは、仲の良い友達を呼んで騒ごうかとも思ったけど、ダメもとで誘った恋人から一発OKが出たから、4日間は甘い蜜月を過ごせるかな、とついにまにましてしまう。

『なにそのイヤらしい顔…』

とは、我が家を訪れた恋人の、玄関先での一言。

今夜からの4日間を想像したら、…体力も精力も何もかも、満ち溢れてる高校生男子。
そりゃもう言わずもがな、だろう?

覚悟しておけ。


…とちょっとした意気込みもあったのだが、、、いかんせん肝心の恋人が、そんな決意もなんのその。


いつもと変わらずで…。
こんな天使のように、柔らかい目で、幸せそうに微笑まれたら。
ご無体なことが出来ないではないか。。。。いや、しかし。





***** A切原くんの場合 ******






「まじッスか…」

「zzz....zz....」


せっかく両親も姉も不在な夜だというのに。
お付き合いをはじめて、キスをして、段階を踏んで初エッチして。
まだ数えるほどしかヤってない中、今回は愛を深める最大なチャンスだというのに。



てういかまだしてねぇのに!!





「おーきーろー!」

「Zzz...」

「ウソだろ?」


宅配ビザとって、テレビみながら一緒にバラエティ見て。
ちょっと格ゲーで対戦した後、ジローさんは先に風呂に入った。
入れ違いに入って、今夜のことを考え、ちょっとどきどきして。ついつい妄想で大変なことになってたから、軽く抜いたりもして。

満身創痍で風呂をあがった俺を出迎えたのは……


リビングにいねぇ、と思ったら自室に明かりがついていた。
やべぇ。
俺の部屋で待ってるのかな…… なんて期待しつつ、部屋に行ったらー


俺のベッドで、気持ちよさそうに寝ている寝太郎……いや、寝慈郎か?



「なんでだよ…」
「ちょっと?」
「ジローさ〜ん??」
「おーい」
「起きてくださいよぉ」


…びくともしねぇ。


どこでも寝る人だとはわかっているけど……数秒で夢の世界に行く人だと知っているけど!
つか、髪も濡れてるし。。。俺のマクラ、濡れてるし。。。

風呂上がって、そのままベッド入ったのか?
俺を待たず??


「…いたずらしますよ?」

「ん… Zzz ... 」



とりあえずドライヤーで寝ているジローさんの髪をかわかしてみる。

肌を傷つけないように、やわらかく、ゆっくり、優しく……あーあ、気持ちよさげだし。


「ん…っ…ふっ…」


おいおい。

なんでそんな声出すんだよ……っ


「…どーすっかな」


このまま寝させるのはもったいない。
つーか、いやだ。

でも、気持ちよさそうに寝ているのを起こすのも、かわいそうな気もする。

起こしても怒らないだろうし、機嫌悪くもならないだろう。
ただ、予想できるとすれば、、、『あかや、一緒にねよ?』で、抱きしめられてベッドに引きずりこまれる。。。か?

(誤解のないように言っておきたいが、ジローさんはただ、一緒に寝るときに俺を抱きしめたがるだけだ。
決して、決して、腕マクラされているわけでもないし、俺を抱くとかなんとか、そういうことじゃない。
俺の頭に両腕まわして、胸に抱きたがるだけだ。
……気持ちいいから、そのままにさせているだけだ!)



ただ、今夜は……抱きしめられて寝るのは、ちょっと勘弁してほしい。
いや、最終的にはいいとしても、、、、、その前に。


「ねぇ、ジローさん……俺、もう爆発しそうなんスけど」


困ったムスコちゃんが…。
抜いたとはいえ、風呂場では臨戦態勢だったし、部屋にいくまでの妄想で。。。のっぴきならない状況になっているというのに。

目の前に美味しそうな身体が横たわっているのに、それ見ながら一人でしろなんて、拷問だろ…。


「さわりますよ?さわりますからね?」


布団をめくって、しっかりと留められたパジャマのボタンを全部外したら、ほどよくついた筋肉で引き締まった身体。
触ると、スポーツマンにしてはきめ細かな、染みひとつ無い、さわり心地のよい肌と、桃色の……



やべぇ。


「ジローさん…」


左胸の突起に舌を這わせ、巻きつけつつ甘噛みし、右手でもう片方の胸をゆっくり揉みながら先端をつまむ。

「ん…っ…」

ツンと尖ってきた両胸の突起をつまみ、ぐりぐりといじってやると、頭上からか細い吐息が漏れてくる…が、まだ起きない。

そのまま顔をあげて、鎖骨、首すじ、耳元、と愛撫していき、その都度跡を残していく。


ジローさんは耳に弱いから、これなら起きるか?


「あ…んんっ…」


耳に舌を差し入れ、舐めまわしてみる。
そのまま、半あきの唇に指を入れてかきまわすと、息苦しいのか眉を寄せた。


「ふっ…う…っ…」



やべぇ。

気づけば今にも爆発寸前。
ジローさん見ながら自慰なんて、もったいねぇ。ぜってーやだ!
と思っていたけど……イタズラしてたけど。。。

でも、起きないこの人をいじくりまわして、イキそうになるなんて、結局自分で処理してるようなもんじゃんか。

はぁ〜起きねぇかな〜


意識の無い人相手に気が引ける気もするけど、、、



「すみません…」


とりあえず謝っておいて。


パジャマの下とパンツを一気に脱がせてー…って、やっぱり反応ねぇな〜。

ジローさんのキレイなちんこはへにゃっとなったまま。
この人は、こんなとこもキレイなんだよな〜。


姉ちゃんの部屋から拝借したボディクリームを手に取って準備する。

ジローさんの尻の穴はきゅっと締まってて、狭そうで、入りそうも無い……が、いけるはず。
腰の下に枕を入れて浮かせて、露になった後孔を舐めて、入り口をほぐす。

自分がまさかこんなことが出来るなんて、びっくりモンだけど、ジローさんに対しては不思議と嫌じゃない。
むしろ、いつ何時も、ジローさんの身体ならどこでも、舐めまわしたいとさえ思える。

こうやって慣らすのも、もっとやりたいんだけど、ジローさんは恥ずかしがって、俺が舐めようとすると全身で拒否する。
なのでエッチの時はもっぱら姉ちゃんの部屋から拝借したハンドクリームや、傷が耐えないからと持ち歩きを命じられてるオロ○イン使ったりするんだけど…
(というほどやってない)

ただ、唾液だけだとジローさんを傷つけちまうから、やっぱりクリームにも頼ることにして。
舌で慣らした蕾にクリームを塗りたくって、ゆっくり指を沈める。


…大丈夫そうだな。



「ん……っ…あ」


心なしか頬を染め、身体を小さく奮わせたが、覚醒には至ってないらしい。
っつーか、反応ねぇのは寂しいよな〜、やっぱり。


指を2本に増やし、孔をほぐしながら、へにゃっているキレイなちんこを咥えてみた。
丁寧に舐めながら強弱をつけ、覚醒を促す。


「あっ…ん…」



慎重に、慎重に、後ろと前を攻めていたら、徐々にかたくなってきたちんこの先っちょから、じわじわねばねばしたものが出てきて。


「あ、イクかな?」


そのまま飲んじゃおうかな〜なんて思っていた矢先に・・・




「ふ…っ……あ、…?!」

「あ。」






「…あか…なっ……へ?」

「…。」

「あっ、な、なにっ、ほぇ…っ?!」



きょろきょろ周りと見渡し、押し倒されているだけでなく、自分のちんこを咥えている俺をみて、両目がまんまる、びっくりしている。
突然すぎて思考が追いついてないのか、言葉になっていない。


…ちょっと、微妙な時に起きちゃったな。



「あ、あか、あか」

「はい」

「な、な、な、」

「はい」

「こ、これっ、な、ど、どう」

「はいはい」



あーはいはい。
すみません、すみませんね?

でも、ジローさんも悪いんスよ?
可愛い恋人置いて、すぴーすぴー寝ちゃうんですもん。

俺ん家泊まりにきて、親も誰もいない状況なんだから、夜の展開なんてわかってたでしょ?
なのに、風呂はいって先に寝ちゃうなんて、いったい全体どーいうことなんだか。

あ、ちょっと!怒らないでくださいよ?
大好きですから。
好きだからですから。

え?寝ている相手にすることか?

そんなの、アンタだからでしょうが。
起こしても起きないし、どーやったら起きるかな〜って。
それに、俺もう限界ッスよ。

パンパンなのに、肝心のアンタは寝るし。
俺のこの溜まりに溜まったもの、いったいどこにぶちまければよかったんスかねー?
ちょっと。
顔真っ赤ですよ?可愛いんでちょっと押さえてくださいよ。
それ以上そんな可愛い顔見せたら、ちょっと抑え聞かないッスよ。


つーかさ。


「ジローさんのココも、大きくなっちゃったし。イっとく?」

「〜っ!」

「後ろもだいぶほぐれたと思うんスけど、どう?」

「なに言ってー」

「もうちょっと舐めたほうがいい?」

「な、舐めたの!?」


だって、寝てたし。
いや、だから……そんな、茹タコみたいになってるし。
口ぱくぱくさせて、…可愛いったらねぇな。

あ、キスしてぇ。


「んんっ」


ぴちゃぴちゃした音が部屋に響く。

咄嗟のことで、逃げようとするジローさん頭をガッチリ押さえ、戸惑う舌を捕らえて吸った。


「うっ…ん、ふ、うっ」


やべ……今の声、キタ。








「はぁ、はぁ、っ…」

「ねぇ、ジローさん」

「はぁっ…」

「俺、もうだめかも」

「はぁ、はぁ……え?」



息苦しさから開放されて、酸素を求め呼吸を整えているジローさんの視界に入ったのが、天を仰ぐ俺の分身ちゃんなワケでー





「……わかったから」

「じゃ、じゃあ」

「……ほら」

「ジローさん…!」



色々諦めたらしい、困った表情を浮かべたジローさんは、……両足を広げ、いつもなら絶対してくれないであろうポーズをとってくれた。





「赤也、ここ……おいで?」



指を自らの後蕾に添え、よく見えるように左右にぐっと広げてくれてー




なにこれ、なにこれ!!
まじで!?





ジローさん、最高!





「あっ、んんっ」

「やべっ……すぐイっちまいそう」

「…っ…何回…でも、イイからっ」

「はぁ、はぁ…っ…え?」

「赤也……で、いっぱいに……して?」

「ーっ!!」




や べ え !







「ひゃっ…あっ、あっ、あぁ!」









ジローさん、ジローさん!!
もー、ちょーさいこー!








(終わり)


>目次

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ジローさんは赤也が可愛くてしかたないらしい。
ていうか「ちんこ」言う赤也がたまらん! 言わせたひ。

プリガム先輩らはローションだの何だの自分で用意できますが、レッドは恥ずかしがりやだから買えないの。
適当に薬局でゲットして使えばいいのに思いつかなくて、お姉さまの部屋でクリーム系拝借。
またはよく引っかき傷とかつけるため持ち歩かされているオロ○インを使うのです。
一度、姉の台湾土産のタイガーバームをオ○ナインと同じだと思い込んで、ソレをジロちゃんにつかったら大惨事だったんですよ…
あ、これ書きたいな。タイガーバーム事件。




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