祭に溶かす甘い熱
「飴、食べたいなあ」
「紘が欲しいものならなんだって買ってあげるよ」
「武市は紘さんに甘いのう」
「彼女が可愛らしいから仕方ない」
「先生…」
「武市さん…ほんとに変わったっスよね…」
今日はお祭りで、半平太さんと一緒に行く約束の日だった。
ご飯を食べて時間までみんなでゆっくりしていると龍馬さんが半平太さんをからかいはじめる。相変わらず寄ると触るとすぐこうなんだから、もう。
「半平太さん!ちょっと早いけどそろそろ出ましょうよ」
「ああ、君がそうしたいならそうしよう」
「こりゃあたまげた、武市は紘さんに甘い甘い病じゃあ」
「龍馬」
「こりゃあたまげたたまげた、にししっ」
「半平太さん早く!」
「ああ今行くよ」
半平太さんは龍馬さんをじろりと睨んで私の隣に並ぶ。
いってきますと挨拶して外に出ると直ぐさま半平太さんの指が絡んできた。
「ふふ、お祭り楽しみだね」
「そうだね」
「半平太さんは食べたいものとかあります?」
「君が楽しければ、それでいいんだよ僕は」
いきなりの恥ずかしい発言に私は思わず足元を見る。
するとそんな私に構わずに半平太さんが照れた顔も相変わらず可愛らしいねと笑った。
半平太さんの恥ずかしい発言も相変わらず…。
「もう、半平太さんはすぐそうやって言う」
「不満かい?」
「不満じゃなくて、恥ずかしいんです!あんまりからかわないでください」
「紘をからかったりなんてしてないよ」
それとも、僕の気持ち信じてないの?と熱の篭った目で見詰められて私は思わず目を逸らした。
そんなの、痛いくらいわかってる。
「よしわかった」
「え?」
「今夜は、僕の気持ちが嘘ではないと知ってもらわないといけないよね?」
疑問形なのに確定したような言い方。私の耳に唇を寄せて半平太さんはとんでもないことを言い出した。
「今夜は寝かせないからそのつもりで…ね?」
自然と顔が赤くなった私に彼は可愛らしいとまた笑うのだった。
祭に溶かす甘い熱
―――――――――――
30000フリーリクエスト・櫻様へ。
花エンド後の武市さんとお祭りとのリクで、書いてて私が砂糖吐きそうになりました。
あ、甘い…甘いよ武市さん!!
いれどころがなかったのですが、唇ふにふにさせたかったです。ほっぺでも良い。
でもなんかふにふにさせたら最後人目もはばからずちゅーしそうだったのでやめておきました。
櫻様のみお持ち帰り可能です。
▼