貴珠賤蜂より出ず


13


足をどけてしゃがんで顔を覗き込むと
まぁそこにはそれはそれは大層な美形が寝息をたてていました。


…いや、可笑しいでしょ。

なんで廊下で倒れて寝てんですか!?


「…あの…………起きてくださーい?」

ちょんちょんと肩をつついて見たものの美形は起きません。



「………スリーピングビューティー…」



とりあえずどうしようかな…

俺より背がでかいからおんぶすることはできないし…
というかそこまで力ないし…
引きずるのも無理だしなぁ。

「困ったな………ん?」



ふと美形まわりを見るとお菓子が散乱していた。

この人のかな…?



「りゅーじー?りゅーじー…って…あれ?文哉?忍はどうした?」


「あ、…晃樹…」


助かった…
晃樹だ。

「ん?………龍二!?ここに居たのか!!」


「龍二?」


「あー、この寝てる奴。びっくりしたろー?ごめんな?こいつ少しでも眠くなるとどこでも寝るんだよ…」



はぁ…、と晃樹がため息をつくと散乱しているお菓子を拾い集め龍二という美形さんの頭を思いっきり叩いた。




…暴力的な起こし方だな…




「っ…………あれ、教室じゃない」


「アホゥ。ここは屋上の階段付近だ」


「……あ、金平糖じゃん。おはよー」


「お前はおそようだな。」


美形さんは頭をさすりながら上半身を起こすと眠たそうな目で晃樹を見て首を傾げている。


「お前なぁ…毎回探すこっちの身にもなれ!それと、そこにいる文哉に謝れ。お前見て困ってたんだからな」


「ぇ…」


俺ですか!?


「おー、見知らぬ人よ。ナイストゥミーチュー。」


何故か抱きしめられました


「ぇ…ぁ…えと…」


いきなりの事と人見知りが同時に発動してパニックになってしまった…


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