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 会話短文


「なぁイヅル、ボクずぅっと思っててんけど」
「はい、何でしょう?」
「何でボクは登場させてもらえへんのやろか」
「本編に、ですか?」
「せや。だってな、ボクと彼女、完全にキャラ被ってるやろ」
「キャラ被り……ですか?」
「銀髪にいつもにっこり掴みどころがあれへんキャラって、丸被りやろ?ボク等」
「僕はそうは思いませんけど…」
「何で?彼女もボクと同じ綺麗ぇな銀髪で、いつも笑ろうてて、何考えとるかよぉ分からへんやろ?全く一緒やん」
「市丸隊長のそれと彼女のそれは、ちょっと違う気がします」
「どこが?何が違うん?」
「だって彼女は狐って言うより兎のような……あ」
「イヅル、ボクのことそんな風に見とったんやねぇ。狐、ふうん」
「い、いえ、物の例えですよ。本気になさらないでください」
「まぁ彼女が兎言うんは分かるわ、イヅルも偶にはええこと言うやん」
「偶には、ですか…」
「兎さんな彼女と狐なボク、ふわふわしててお似合いやんか」
「市丸隊長、兎にとって狐は天敵ですよ」
「何それ?知らんよ」
「自然界では、狐は兎を食べるんですよ」
「ふうん。ほんならそれこそ間違ってへんわ。彼女、食べてしまいたいくらい可愛いらしいし」
「そういう目で彼女を見ていたんですか…」
「彼女、真っ白ぉで綺麗やし、やらこいやろし、ええ匂いしそうやないの。多分触ると冷こいんやないかと思うんよ。笑ろうた顔もええけど、恥ずかしがる顔はもっと可愛ええと思うわ。あの鈴が転がるような声でギンて呼んでもろたらボクどうにかなってまうやろなぁ」
「それ、日番谷隊長がお聞きになったらまずいですよ」
「イヅルはそう思わへんの?彼女のあの絹糸みたく綺麗ぇな銀髪に、指通してみたいと思わへんの?あの白くてやらこそぉなほっぺに、触ってみたい思わへんの?あの真っ白い首筋に、噛みついてみたい思わへんの?」
「い、いえ、それは…」
「思うてんのやろ?いつもそう思うてて副隊長会議に彼女が乱菊の代わりに出席すんの楽しみにしてんねやろ?隣の席の九番隊副隊長さんのこと羨ましい思っとったんやろ?」
「そうなのか、吉良」
「ひっ、日番谷隊長…!」
「あら十番隊長さん、ええとこに来はったわ。うちのイヅルがお宅の三席さんにお熱らしいんよ」
「ち、違いますよ!それは市丸隊長でしょう!僕は別に!」
「自分の罪を人に擦り付けるのは感心しないぜ、吉良。話は隊舎で聞いてやるから、大人しくしろ」
「つ、罪?罪になるんですか?!」
「彼女のこと大事なんはよぉ分かるけど、十番隊長さんもそんな怖いこと言いなや」
「市丸隊長…」
「地味で出番もあらへんけど、健気に彼女のこと想うててん、堪忍したって」
「それは貴方もでしょう!いや違う、"貴方が"でしょう、市丸隊長!」
「ボクは何も言うてへんよ?彼女にうさ耳付けさせてみたいとか、まあるいふわふわの尻尾も付けた方が可愛ええんちゃうかとか、そんなことも思てへんよ」
「そんなこと思ってたんですか…って日番谷隊長も赤くなってるし…!これは想像してるのか…?」
「馬鹿野郎!んなことしてねぇ!」
「十番隊長さんはどっちがええと思う?うさ耳と猫耳、どっちが彼女に似合うやろか?」
「そんなもん……」
「日番谷隊長?真面目に悩んでます?ちょっと日番谷隊長!」
「イヅル、よう見とき。人は恋をすると盲目になってしまうんよ」
「べ、勉強になります……」
「ほんで、イヅルはどっちが好みなん?」
「僕ですか?うーん、彼女は兎のイメージですが猫耳も捨てがたいし…でもやはりうさ耳…」
「吉良てめぇ、斬られたいようだな」
「ほんならイヅル、ボクもうちょいお散歩してから帰るわ。十番隊長さん、イヅルのことよろしゅう」
「霜天に坐せ」
「ええぇぇええ!」



キャラ被りしているこの人を、いつか登場させてみたい。
京都弁が分からないので、おかしな所もあると思います。


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