ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございます。ねつ造盛りまくりな上にオリジナルキャラクターまでもが盛り盛りな連載で、正直これ書いてる自分しか楽しくないやつかもしれない…と思いながら始めたのですが、ありがたいことに感想もいくつかいただけて、嬉しい誤算でした。本当にありがとうございます。

この連載は、3年ほど前に書いた短編がもとになっています。そもそも出茂鹿くんの話を書こうと思ったのは、落乱原作64巻を読んだことがきっかけでした。出茂鹿くんは、初登場時から散々意地悪だの高慢ちきだの捻くれてるだの言われて、作中でも「性格が悪い」と評されていますが、出茂鹿くんって多分性根が腐ってるというわけではなく、損得勘定が言動にそのまま直結しちゃってる故に性格悪く見えてる感じだと、個人的には思うんですよね。だからよく言えば素直すぎるのかな、という…(笑)だから損得勘定だけじゃない何かを見出せそうになる原作64巻は最高だし、出茂鹿くんは最高なんだなぁ…(?)というわけで、64巻で足を滑らせ出茂鹿くんにどっぷりになり、小説を書くに至ったというわけでした。
あと、個人的に尼子一族が大好きでして、尼子に仕えた山中鹿之助が名前の由来になってる点も推せるし、ハマるべくしてハマった感がすごいです。で、尼子と言ったら鉢屋なので、連載化にあたって鉢屋にも登場してもらいました。鉢屋がいてくれたおかげで、ストーリーの進行がだいぶ楽になったし、話も面白くなった気がします。鉢屋様々です。足向けて寝れないです。
鉢屋、ひょーひょーとしてて大人のフリが上手いけどどうしたってやっぱり子供、という感じがたまらん…学級委員長も多分自分からなろうとしてなったわけじゃないんだろうな感がたまらん…自分で望んでないのに気づけば人の上に立たざるを得ない立場に無理矢理引っ張り上げられてそうでたまらん…大人のフリが上手いばっかりに…。鉢屋三郎、曲者感と強者感とクソガキ感を兼ね備えているのに何となく最終的に望まない選択肢を選ばされそうな危うさと悲しさがあって最高です…(?)
ちなみに鉢屋が最後、変装を解いた時に雷蔵の顔にならなかった理由としては、ああいう敵陣ど真ん中で雷蔵の顔晒すか?いや晒さない(反語)という謎のこだわりからでした。雷蔵の顔に戻ったほうが映像が浮かびやすくてよかったんですが、そういう訳でした。
それから、出茂鹿くんが最後にもらった刀が備前のものなのは、山中鹿之助が所持していた刀の中に備前長船祐定の刀があったから…という、これまたどうでもいいこだわりがあります。こういう小ネタもちょこちょこ挟まってます。小ネタ的な意味で言うなら、大河ドラマ・真田丸と漫画・新九郎、奔る!のオマージュ的シーンもたくさんあります。両作品ご存知の方は探してみてください(笑)
さて、この後の二人がどうなるか色々考えましたが、まずみょうじ家と鉢屋はイマジナリー尼子家の戦乱に巻き込まれるのが確実で、仮に出茂鹿くんが出茂家に戻って、名前の由来である山中鹿之助よろしく尼子に付き従うとして、忠臣であるみょうじ家はまず尼子と共に滅亡、鹿之介も死亡…毛利に従い生き残る鉢屋…というツライ展開しか浮かばなくて駄目でした。でも、今回の話はだいたい1543年くらいを想定して書いていて、尼子の滅亡はだいぶ先なので二人は普通に幸せになるかもしれませんね。そうだといいね。
エンタメ小説は書くの楽しくて、悩みはしましたが筆が止まることはほとんどなく最後まで書き切ることができました。それは読んでくださった、感想をくださった方々のおかげでもあります。本当にありがとうございました。
また何かネタが思いついたら、らくらんでも連載やれたらな、と思っています。出茂鹿くんでもまた何か書きたいですね。

追記:ちなみにイメソンは池田綾子の空の欠片、森山直太朗の風唄、女王蜂の火炎、CHiCO with HoneyWorksのプライド革命です。追記するほどのことか?って感じですね