五月あとがき

箇条書きじゃないので見辛いかもです、すいません…。
前任の何気ない一言でガーデニングを趣味にしてしまう鶴丸が、その娘を主として受け入れるまでの話でした。なのでずっと現主のことを「主」と呼ばず「あの子」と呼んでいます。
この話を書くにあたって、一度墓に入っている鶴丸国永という刀が人の死をどう受け入れるか?について考えてみたのですが、一度そういう死を間近に見てしまっているからこそ、死んでしまった人に執着してしまう…というようなこともあるんじゃないかと思いまして。というか連載開始当初から、何故か鶴丸は前任のことがすごく好きで今の主を受け入れられずにいる…みたいな絵がずっと頭にあったので、色々考えてはみましたが結局フィーリングですね。でも「主を許せないでいる自分すら許せなかった鶴丸」と「自分を許せなかった主」は似た者同士だと思うので、きっとこれから先うまくやっていけるといいね…と思いますね。
あと、この話の軸となっていた「忘却」と「記憶」ですが、私の中では人が死ぬということよりずっと「忘却」が辛い…みたいな感情があり…それがだだ漏れてますね。よく言われることですが、忘却こそ死だ、というのは私もずっと考えていることなんですよね。意地でも忘れたくない何かや誰かの記憶をどうしても頭の中に留めておきたくて、だけどそれにもいつか限界は来るものです。
だからこそ、そういう思い出や気持ちを誰かが共有して、持っていてくれることは何よりの救済だと思うのです。
彼ら刀剣男士は、歴史という膨大な時間の証人です。事実とは異なる逸話を元に顕現した男士もいますが、それもまた歴史の一部だと思います。
そういう彼らが、本丸で紡がれていく時間を思い出として記憶していく…という事実が涙出ちゃうくらい愛おし〜…!!という気持ちで書いたお話でした(長ぇ〜)

というかあまりにも鶴丸のターンが長すぎて日本号さんの夢小説やぞ〜!?ってずっと思ってましたね…!!
日本号さんの気持ちにも少し触れておくと、実は日本号さんもずっと前任の死に対して傷つき続けているんですよね。その辺りは後々お話の中で触れていきますが…。日本号さんが悪い夢にうなされて目を覚ました時に主の声を聞きたいと思ったのにもちゃんと理由があるので…まだ全然そこまで辿り着けないけど…。
ほろよい?五月で主の酔っ払い偽装作戦をする日本号さんのシーンは書きながらずっとニヤニヤニヤニヤしてました(怖…)自分が主に愛されている自覚のある槍…!!好きや!!!という気持ちをめちゃくちゃ込めたシーンですね…!!
その後に日本号さんが言った「どれだけ自分を卑下しても云々」の言葉は「やさしい三月」で言った言葉とほとんど同じですが、やさしい〜のほうでは「みんなあんたを嫌いにはならんよ、きっと。俺も、あんたの父親も、ここにいるみんなが」という言い方をしているのに対して今回は「俺はあんたを嫌いにはならねえよ」になる、という感じですね…。主の涙によわよわな日本号さん…………好き!!!という気持ち全身全霊で書いたシーンでした!!!(はい)

辛い話だったけどなんやかんやでずっと楽しかったですね。花畑をネモフィラにしたの完全に気まぐれだったんですけど花言葉が「あなたを許す」だったらしくちょっと泣いた(自作小説で泣くな)あと鶴丸編のイメソンは米津玄師「ごめんね」なのでごめんね五月で締めました。たのしかった。