どうしよう、どうしよう泥棒に見つかっちゃった…


とりあえず110番したほうがいいのかな?


いや、でも相手を刺激させちゃダメだし。


そんなとき、赤い髪の毛の男の人が恐る恐る口を開いた。


「お前、もしかして俺たちを誘拐したのか?」


………はい?







02. VS







「あ、あなたたちこそ…その…泥棒じゃないんですか?」


私は震える声で言ってみた。


私が誘拐犯だなんて…


私たちがお互い注意深く見合ってると、銀髪の人が


「とりあえず、ここがどこか教えてくれんか?」


と言ってきた。


「わ、私の家だけど。」


「じゃなくて、住所」


「あ、えと…」


教えていいものなんだろうか?


下手に住所教えて悪用される可能性だってあるし…


「とにかく、俺たちを返してくださいよ!誘拐したって、俺ん家なにもないですから!」


ワカメみたいな髪の男の人が声を荒げる。


「わ、私は誘拐なんてしてませんから!」


「じゃあ、どうして俺たちはここにいるんだよ!」


「そんなの、知りませんよ!私の家の物を何か盗りにきたんじゃないんですか?」


今度は赤い髪の人が口を開く。


「そんなわけねぇだろい!」


だったらなんで、ここにいるんですか!


私はもう泣きたかった。


誰でもいいから助けて欲しい、そんな状況。


「お前、学生か?」


私の着てた制服に気付いたのか、銀髪さんが言った。


「そうです、けど……」


私もそう言いながら気付いた。


目の前にいる3人はみんな同じ制服を着て、テニスバックを背負っていた。


「あなたたちも学生…?」


その問いに銀髪さんは頷く。


「何年生じゃ?」


「中3です……」


私が弱々しく言うと、赤髪さんは「げ」と目を見開いた。


「俺たちと同じじゃねぇか。」


嘘、じゃあ、中学生なのに泥棒なんてしてるの…?


ここは見逃してあげるべきかどうか悩んだ。


まさか、向こうも同じようなことを考えてたとは知らずに。












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