Let me stand by you

彼女の葬式に、私は参列しなかった。
深い喪失感に耐えることができずに、私は誰にも行き先を告げずに姿をくらました。



「…………久し振り、セブルス」

「…久し振り、だと?一体何年間姿をくらましていた。今更私に合わせる顔があるとは驚きだな」

「そんなことを言わないで。君を守れるだけの力をつけてきたんだよ。君の後見人になれるよう」

スネイプは、当然のことながら久し振りに家を訪れた私を歓迎してはくれなかった。やせっぽちだった体もすっかり大きくなって、もう大人と変わらないほど成長していた。

「もう、遅い」

最後に聞いた時よりも大分低くなった声は、全てを、私を、拒絶しているようだった。声は苦悩に満ちていた。

嗚呼。嗚呼、私が彼をほったらかしにしておいたこの数年の間に、彼がホグワーツで安全に守られていたはずの数年の間に、一体何が起こったというのだろう。それともホグワーツならば安全だと信じ切っていた私が愚かだったのだろうか。

「もう、全部、何もかも遅すぎた。…今更後見人など要らない。どこかへ行ってくれ」

傷付いた瞳は、全てを拒絶しながらも、必死に助けを求めて揺れていた。嗚呼、私はまた間違えた。力など付けなくてよかった。安全の確保などより何より、傍に居ることが大事なことだったのに。

彼が死喰い人になったという噂は、本当だったのだ。

「…セブルス、お願いだ。傍にいさせてよ。今まで本当に悪かった」

少年と青年の狭間にいる彼は、酷く葛藤した様子だった。

けれど、それをどうにか謝って宥めすかして甘やかし、一緒に住むようになるのにそう時間は掛からなかった。

彼がホグワーツを卒業した年のことだった。

Let me stand by you
(傍に居させて)
(それだけでいいから)



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